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東方大冒録
命蓮寺と、兎の願い。
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の塊でしかなかったんだが……、まさかこんなことをしているなんてな……」

魔理沙が本当に悲しそうな顔をしながら言う。

(魔理沙……。性別こそわからないが、きっと、魔理沙にとってはアイギスは本当に可愛い弟か妹のような存在だったんだろうな……)

暗基はそんな魔理沙になにか声をかけてやろうとも思ったが、同時に少し気が引けるものがあったので、何も言わないことにした。すると聖がまた話を始めた。

「そうだったのですか……。魔理沙さんにとっては、これから私が言うことはとてもつらいことでしょうね。魔理沙さんにとってアイギスは少しの間でも家族のようなものだったでしょう。ですが今は異変を起こしている元凶です。幻想郷の決まりである通り、異変を起こした者は退治しなければいけません」
「あぁ、分かってるさ。分かってるけど……」

魔理沙は聖の言っていることは頭ではわかっているが、納得が出来ずどうすればいいのか全くわからない様子だ。それもそうだろう。短い期間であってもひとつ屋根の下で共に暮らした仲なのだ。抵抗がないわけがない。

「珍しいわね、魔理沙がそこまで渋るなんて」

霊夢が魔理沙に軽口を言う。霊夢からすれば、これは霊夢なりの気遣いだったのだろうが、魔理沙はさらに悲しそうな顔をして、力なく返事をする。

「霊夢には多分わからないだろうな、この……、うまく説明できないけど……」
「……、悪かったわ……」

霊夢も魔理沙から悲しみを感じ、黙ってしまう。辺りには、まさに葬式の雰囲気が漂ってしまった。

「ほらほら、お前ら心配するな!」

この雰囲気に耐えられなくなった暗基はみんなに、特に魔理沙に対して声を張り上げた。

「確かに、この世界には異変を起こした者は退治されなきゃいけないっていう決まりがあるのかもしれない。だけどそれは始末することが退治って訳じゃないだろ? 考え方を変えていこうじゃねぇか!!」
「……、ぜろ……!」

魔理沙は希望を見つけたような顔をしてくれた。しかし、暗基の言葉に咲夜がツッコミを入れる。

「たしかにその考え方は大事かもしれないけど、じゃあどうやって退治するつもりかしら?」

それに対して暗基は自信を持って答える。

「アイギスを説得してやるのさ。この幻想郷がどんなものでも受け入れる場所なんだってことをな。それで異変を起こすのをやめてくれれば、それで退治されたことにはなるだろ? うまく行くのかどうかはわからないけど、何事もやってみないことにはな」
「おそらくうまく行かないでしょうね。無理よ。異変を起こしたやつを言葉で改心させるなんて」

霊夢は暗基に対して、厳しめに言う。だがそれは暗基にとっては予想できていた。

「確かに、無理かもしれない。でも、今言ったろ? やってみな
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