第一六話「平均化」
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男達の多くはと様々な国にて軍事機構に所属していた。アメリカ・ロシア・中国……日本のSATのような特殊部隊の隊員だったものもいる。
国籍・人種・年齢も様々な男たちだが、彼らが元軍人や元警察官であることの他に、もう2つだけ共通点がある。
一つは、彼らがそれらの職業についた理由が元からそうだったのか、その職業についてそうなったのかは知らないが、人殺しを愉悦の一種として楽しんでいること。
もう一つは、彼らがその末に所属部隊の中で問題を起こし、退役させられた身であることだ。
「できるだけ一方的に人を殺したい」という者たちで形成されたプライベーティアの中でも、実際に一般人に手をかけたり、愉悦に身を任せ軍規を超えた異質な存在。
現在、学園都市ロワイヤルホテルを襲っていたのはそんな連中であった。
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「Fuku!What is it!?(くそっ!どうなっていやがる!?)」
男は装甲車の裏に隠れながら叫んでいた。男は元アメリカ海軍の特殊部隊であるNavy SEALsに所属していた軍人であった。最終的な階級は二等兵止まり。
将来を約束されていた彼だったが、作戦中に元々あった殺人欲が爆発。一般人を一人殺害してからは歯止めが効かなくなり、合計3人を殺した末に、問題になることを恐れた上官から、無理やり退役させられたのだ。
「戦場」という絶好な欲望の吐きどころと相手を一方的に攻撃することができる武器を取り上げられ、人殺しをして捕まるのを恐れた小心者の男は、欲望を吐けずに日々を過ごしていた。
だからこのプライベーティアのことを同じような境遇の退役軍人の知り合いから聞いた時は、まさに楽園を見つけたとも思った。
最新式の装備を渡され、相手を一方的に嬲り殺しにできる。その上高額な給料までで、罪にすら問われない。正に自らの天職と男が思うのは必然であった。
早速ネットから応募し、「プライベーティア」という組織に参加することとなった男は、良き仲間、志を共にする同志と出会い、絶好な気分であった。
そして男は学園都市に至った。プライベーティアに下されたのは「学園都市にて暴れ、能力者や警備員を引きつけ釘付けにする」とのことだった。「作戦中にいかなる犠牲を出しても問題ない」との許しも得た。
作戦の詳細も伝えられ、装備も、学園都市ほどではないといえアメリカやロシアの最新式のものが渡された。一部の者たちには鉱石のようなおかしな物体が渡されていたが、別部隊の者だと聞いたので詳しい説明はされなかったし、知ろうとも思わなかった。
学園都市最強のレベル5とやらは雇われた武偵やら魔術師やらなんやらが相手にするということだし、今回も一方的に愉悦を楽しめ
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