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とある緋弾のソードアート・ライブ
第一六話「平均化」
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数は減らないから、その世界は再び元の数に分けられて、その際、その世界に住んでいた人々も、4つの世界に改めて振り分けた、と?」
「そういうことよ。出来るだけ辻褄が合うように、人の輪が繋がっているものたちを一つの世界に纏めてね。だから貴方たちの親族や友達、親しい人たちは皆この世界にいるわ。忘れたり、いなかったことにはなっていない。
 そして世界が持つ矯正力によって、全てが都合よくできるように歪められている。それぞれの世界の大統領や国際的な組織のトップが……」
「……すまん、まったく意味がわからん」
「わ、わたしも……」
「世界が合成とかそこからもうついて行けてねぇよ」

 眉を顰めたキリトが諦めた体で言い出したのを皮切りに、直葉やクライン、主に学園都市外からの来訪者たちから理解が追いつかないと不満が出てくる。かく言う上条も何が何だかさっぱりだ。

 ……こういうことに慣れてはいるけど、知識については俺も門外漢だしな。

「むむ……確かに説明がやたらと難しい言い回しになっちゃったかもな……」

 考えすぎて頭痛がしそうな説明だとは、説明している側も自覚していたらしいのが幸いだ。と、ここでアニェーゼが手を上げてきた。

「なんとなく分かりはしましたが……例えば必要悪の教会を主体に言えば、この世界に必要悪の教会は最大主教を始めとする主要メンバーが集められています。その場合、他の世界では必要悪の教会というのは無くなっているのですか?」
『おそらくですが……そもそもイギリス清教という枠組みそのものが無くなっていると思います。
 多分、これから先の説明は、この事態を引き起こした組織の核心についていくことになると』
「そう言えば……世界を合成したと言ったな?おそらく私が世界のフィルターを散々弄ったせいだろうことは察しがついているが……それをして何がしたいんだ?そいつらは」

 なんか軽く今回の騒動の一因であることを明かしたような気もするが、そこは深く考えない方がいい。考えたら

「くっ!頭が……」
「ど、どうしたカミジョー。大丈夫か?」

 心配されたので「あ、ああ。大丈夫だ」と十香に笑って返す。

 ともかく自分の頭の上にいるオティヌスが投げかけた疑問については、上条も同じことを思っていたところだった。

 そして、この中でその答えを知るであろう2人の人物を見る。

「そうだねぇ……あえて言うなら『実験』……かな?」
「実験?何のだ?」
『彼らが『平均化の魔術』と呼ばれるものです』

 オティヌスの問いに答えた賀川は視線を、自分たちに向けながら言った。

賀川『世界からあらゆる『異能』を消し去るための魔術です』







第一六話「平均化」 完
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