暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第一六話「平均化」
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ん抜け駆けしてずるいー!」

 後ろから白雪を引き連れながら、非常用階段を一階分登っていく。すぐに4階へと辿り着き、扉を開け放つ。

 4階。確かアリアから緊急時のためにホテルの階ごとの間取りを確認していたから知っていたが

「4階のレストランからは正面出入り口を確認できるはず……」

 エレベーターホールを駆け抜け、客もウェイトレスもいない無人のレストランへと入る。L字型のレストランの、西側の窓が目的の場所だ。

 正面入り口から見て左上の窓から、状況を目視する。

 果たして

「……!!」

 正面玄関。窓から見えるそこには、先ほどまでホテルを封鎖して囲んでいたテロリストたちが倒れ伏していた。

 どいつも無事と言える体ではない。あるものは腕が明らかに曲がるはずのない方向に曲がっており、あるものは足がおかしな形に変形しており、あるものは首が曲がり血の気がなく、あるものは腕が潰れており、あるものは鼻が折れ、あるものは、あるものは

「……ッ!?」

 白雪が息を飲むのが聞こえた。悲鳴を上げなかっただけでも武偵としては上出来だろう。キンジだってこんな酷い光景を間に当たりにしたのは初めてなのだ。いくら武偵とはいえ、まだ自分達は学生。一般人よりは血生臭い光景に慣れてるとはいえ、生理的な嫌悪は取り除けない。

 その時、キンジは正面玄関周りに、一箇所だけ白いところがあることに気づく。

 髪色だ。真っ白な、アルビノの髪。それが正面玄関に横転した装甲車を片手で元に戻して、乗り込んでいく。

「あれは……!」







3,







 ぶつかり合った拳は、その威力を凌ぎ合い、余波で放ったもの同士を宙に弾き飛ばした。

 ジーサードは宙を舞いながら体制を整え、砂利の上に着地する。不安定な足場での闘いだが、そのようなことはこの勝負の勝敗に左右は及ぼさない。

 目線を削板、というレベル5の第七位に向ける。そこには両足で着地して自分と同じようなヤンキー座りになっている削板が、こちらを見据え返していた。

 距離を一気に詰めるべく、強く踏み込みを入れ今一度激突する。

 削板もこちらに突っ込み、二度目の激突が繰り出された。

 二度目の拳のぶつかり合い。1度目は削板が弾き飛ばされ、先ほどは互角だったが

 …………ぐっ!

 今回はジーサードが負けた。

 数歩下がる削板に対し、大きく跳躍し距離を取ることになるジーサード。はたから見ればジーサードが距離を取ったようにも見えるが、今の跳躍は衝撃に身を任せてあえて後ろに流すためものだ。要は、当たり負けしたのだ。

 3度のぶつかり合いでお互い1勝1敗1引き分け。これで拳による対決はタイ。最初の激突
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