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とある緋弾のソードアート・ライブ
第一六話「平均化」
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、武藤たちの元に届いていない、否、向いてすらいないのだ。

 何故、とアリアが思った時にはその答えが明確にされた。

 男たちの後方、何かが近づいてきているのが分かる。どうやら男たちの多くは、そちらに戦力を割かれ、こちらに対応するのがやっとの状況だった。後方を押され、まだ彼らが戦場を保持できているのは、こちらの人数の不利からだろう。

 ……ならば私たちが参戦すれば、戦場を一気に瓦解することができる!

 それを確認したアリアは他の3人の顔を見る。3人とも、アリアの意思は汲み取ったらしく、真剣な表情で返事を返してくれた。

 ならば行こう。

 相手の射撃の一瞬の隙、それを狙ってアリアたちは一気に戦場を駆け抜け武藤たちの元へと向かった。


 ??


 キンジは正面入り口方面へと振り向いていた。

 異常に気づいたのは3階ホールにて宿泊客の点呼を従業員と行っていた時だ。それまで宿泊客がパニックを起こさないように気を使って避難の準備を進めていて、とりあえずの避難準備が済んで気が緩んだ。と言っても、対人スキルが低すぎるキンジは従業員が宿泊客に対してする手慣れた対応を手伝っていただけだったが、それでも20以上ある階を右往左往して疲れがあったのは事実だ。

 だからだろうか。一瞬気を抜いた時、ようやくそれに気づいたのである。

 それとは

 ……銃声?

 かすかだが間違いない。どこかから乱発される銃声が聞こえくる。

 おそらくは正面玄関だろう。強襲により封鎖されたのは出入り口、駐車場、裏口の三箇所だ。一番激しい動きがあるのは駐車場だろうが、もちろん駐車場でいくら派手な銃撃戦が繰り広げられていようと、キンジの耳に届くわけが無い。裏口もここからでは遠い。だから音の音源は正面玄関しかないだろう。が、

 ……なんでだ?

 この疑問を抱いた理由は簡単だ。現在、出入り口には防壁が降りていると従業員が言っていた。早い段階で異変に気付いた従業員が、機転を利かせて作動させた物で、銃弾ではビクともしないとのことである。

 これが襲撃当初のことなら、敵がシャッターをどうにかしようとして銃を乱射するのは分かる。しかし、もう襲撃からかなり時間が立っているのだ。相手がいくら狂っていたり、馬鹿でも、今更シャッターを壊そうとしたところで、弾の無駄になることくらいは分かっているはずだ。

 ……こっちから開くのに待ちくたびれて、なりふり構わずなったのか?

 分からない。だからキンジは

「ちょっと、遠山先輩!?どこに行くんですか!?」
「少し4階に行って出入り口を見れる窓に行ってくる!何が起こっているのか確認するだけだからすぐ戻るから!」
「ちょっ、待って!わ、私も行くから!」
「あー!ゆきちゃ
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