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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
恋慕深化
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たくなるのを押さえ、デイドラは出方を窺うように静かに対峙した。
 双方が時が止まったように睨み合う――が、

 「置いていていいとか言ってたけど、一応回収しておいたよ〜」

 その沈黙の間を破ったのは、雰囲気を粉砕するような、間の抜けた声とともに現れたリズだった。
 その声を合図にデイドラは地面を蹴って、ウォーシャドウを間合に捉えようとした。
 そして、ウォーシャドウはそうさせまいと、自分の間合に収めながら、デイドラの間合に捉えられないような速さで後退しながら爪を一方的に振るう。
 ウォーシャドウの速さは低級モンスターのゴブリンやコボルトのそれを遥かに上回っていて、それはデイドラをも越える。
 だが、そのことはデイドラも承知だった。
 デイドラは焦ることなく、爪をひとつひとつ危なげなくかわしていき、そして、一分もせずに、形勢はデイドラに傾く。
 デイドラはゆっくりと十字路に足を止め、ウォーシャドウは彼と対面するように通路の行き止まり(・・・・・)佇んでいた。
 デイドラはウォーシャドウを脳内の地図を使って袋小路に誘導したのだ。
 嵌められたことに気付いてか、ウォーシャドウは覚悟を決めたようにぴくりとも動かずに立っている。
 デイドラとウォーシャドウを分かつ距離は五M。

 「シッ」

 と、短い息を吐き、デイドラは真っすぐに突っ込んだ。
 それに応じてウォーシャドウが片腕を振り上げる。
 そして、半秒もかからずに間合に飛び込んできたデイドラを斬り下げた。
 その爪を紙一重で横に跳んでかわし、地面すれすれの斬り上げの第二撃を短刀二本を交差させるようにして受け止めて、横にいなし、第三撃を繰り出させるより早く、間合に入ったウォーシャドウの胴を右から左へ凪ぎ払った。
 その攻撃はウォーシャドウが間一髪のところで合だに(ねじ)込んだ爪に阻まれるが、デイドラは阻まれることを予測していたように微塵も動揺を見せず、次の攻撃に移っていた。
 凪ぎ払いの勢いのままに、左足を軸に、反時計回りに回り、左手の短刀で同じ場所から動いていないウォーシャドウの腕を断ち切った。
 根元から断たれた腕が甲高いを立てて、地面に落ちると当時に、傷口からドロッと粘性の黒い液体が蛇口を捻ったように流れ落ちた。
 『――――!!』
 声帯も気管もないウォーシャドウは無音の叫びを上げるように躯を痙攣させながら、残った腕をデイドラにがむしゃらに振るった。
 が、デイドラは既に止めの一撃を胴に叩き込んでいた。
 挟むようにして振られた二振りの短刀に胴を両断され、バランスを崩したウォーシャドウの最後の攻撃は虚しくもデイドラの傍を(かす)めただけだった。
 そして、ウォーシャドウの上半身は振り下ろした腕に引っ張られるように前のめりになって下半身からず
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