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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
恋慕深化
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ラの背中を、まだほとんど残っている干し肉を子犬のようにくわえてあたふたと追い掛けた。

     ◆

 『ギョエッ』
 巨大な単眼を持った蛙のモンスター『フロッグ・シューター』が、疾風の勢いで肉薄しようとするデイドラに長大な舌を打ち出した。
 が、デイドラは地面を軽く蹴って身体を浮かせただけで、それをよけると、舌を踏み付けるようにして着地した。
 『ギャァッ!』
 柔らかい舌を踏み付けられた激痛に目を見開いたフロッグ・シューターは舌を引き戻そうと必死になるが、力が圧倒的に足りず、踏み付けるデイドラはびくともしなかった。
 フラッグ・シューターの舌は先端のみが硬く、他の部位は至って柔らかい弱点なのだ。
 そんな滑稽なフロッグ・シューターの舌に短刀を容赦なく振り下ろした。
 『ギュエアアアアアアアアアアッ!!』
 空を切ったように短刀は抵抗なく舌を切った。
 フロッグ・シューターは必死に舌を引っ張っていたために唐突に引き裂かれたことで、勢い余ってひっくり返り、身悶えていた。
 デイドラは、その(かん)にフラッグ・シューターとの距離を一気に詰めると、真っ二つに切り裂いた――と同時に、

 「横っ!!」
 「わかっている」

 リズよりずっと先に気付いていた一M強の猪のモンスター『リトル・ボア』の側面からの突進を転がるようによける。
 そして、そのまま離脱しようとするリトル・ボアに転がりながら短刀を投げた。
 短刀は直線を描いてリトル・ボアの皮を貫くと、地面に突き立ち、射止めた。
 一回転して、流れるような身のこなしで立ち上がると、リトル・ボアに一瞥も与えず、通路の奥に駆け出した。

 「待ってよっ。私をまた置いていくのぉ〜。ていうか、武器も置いていってるよ!」
 「置いていていい。後で取りに来る」

 と、何度目になるかわからない短いやり取りをして、少し進んだところにいたそれに挑みかかった。
 『それ』は、人影をそのまま立体にしたような人型のモンスターで、アンバランスに細長い腕の先には、ナイフのような爪が三つ並んでいる。
 名は、その姿通り、『ウォーシャドウ』。
 六回層トップの戦闘能力を有する。
 ウォーシャドウはデイドラに長い腕をくねらせるように振るった。
 それを抜刀した短刀で弾くが早いか、もう一方の爪が真横から迫る。
 その攻撃を地面に張り付くように伏せてかわすと同時に、足首を刈り取るような足払いを放った。
 が、既にウォーシャドウは攻撃範囲外に退いていて、回し蹴りは空を切る。
 それを知覚した瞬間、デイドラは足払いの勢いのままに転がり、距離をとって立ち上がった。
 立ち上がったデイドラは、何事もなかったように、それこそいっそ涼しげに佇むウォーシャドウを目にする。
 内心舌打ちし
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