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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
恋慕深化
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が不意に訊く。

 「防具などつけているだけ邪魔だ」

 デイドラは刃から目を離さず答える。

 「だへほ(だけど)ぼうふをつへていないほあぶはいへひょ(防具をつけていないと危ないでしょ)?」
 「危なくなどない」
 「はん(なん)――んっっっっっっっ!ごほごほっ」
 『何で』と言いかけたところで、会話に気を取られて、咀嚼を(おろそ)かにして飲み込んだ大きな干し肉の欠片を喉に詰まらせたようだった。
 リズは胸当ての上から胸を叩いて、悶えた。
 その光景をありありと眼前に思い浮かばせながら、デイドラはポーチから携帯用の水筒を取り出すと、蓋を外してやり、先程のように背後に突き出す。
 リズは飛びつくようにして、それを両手で掴むと、ラッパ呑みの如く、背中を反らし、水筒にそのまま口をつけて、大袈裟に喉を鳴らしながら水を飲み干していった。
 最後には「ぷっは〜〜」と口元を拭うと「生き返る〜」と言って一人目を細めて和んだ。
 が、水筒をデイドラに返そうとして、ふと重大な事実に気付く。

 (か、かかかかかかかか間接キッスーーーーーっ!?)

 リズは水筒の飲み口を驚愕の表情で見詰めた状態で時間が止まったように硬直した。

 そんなリズは、
 「おい、どうした」
 と、デイドラに声をかけられるまでそうしていたのではないかと思わせるほどに不動だった。

 「な、何でもないよっ!?」
 「そうか――って、お前、全部飲んだのか」

 我に返ってあたふたと突き出された水筒を受け取り、デイドラはその軽さに眉をひそめて訊いた。

 「ほぇっ!?ホントだっ!ごめんっ!」

 間接キスのことばかりで頭を埋め尽くしていたリズは思わぬ己の失態に激しく何度も頭を下げた。

 「いや、一滴も飲んでいなかったが、別に構わない。置いていった短刀を回収してくれたのだ。これで貸し借り無しということだ」
 「うん、ごめん――って、えっ、一度も口つけてなかったの?」

 リズはキョトンとした顔で言った。

 「ああ、そうだが、それがどうした?」
 「い、いや、何でもないよっ!」

 怪訝そうな声音にリズは慌てて答える。

 (間接キスじゃなかったのかぁー。よかったぁー…………のかな?いやいや何考えてるの、私っ。ちょ、ちょっと気になってるだけだしっ!…………でも、初キスが間接キスはぁ…………って!だから、何でこんなことばっかり考えてるのっ!!)

 その脳内では場違いにもほどがある乙女心百パーセントの攻防が繰り広げられていた。

 「そうか。なら、早く食べろ。行くぞ」

 デイドラは腰を浮かせると、待つことなく、階段を下りて行く。

 「あっ、ちょっと待って!食べ終わってないよ」

 そのデイド
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