第101話 少年は選びたいようです
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げたらアリアドネーまでが追手になるだろう。
「これはこれはセラス総長。逮捕などとは心外ですね。私はただ、総督としての責務がてら
市民との会話を楽しんでいただけですよ?」
「あら、そうでしたか?とてもそうは見えない物々しさでしたので。」
「何分虚弱体質なものでそれは申し訳ない。ですが……貴女の言う様にこの少年が逮捕せねば
ならないような危険人物ならば私も気をつけなければなりませんねぇ。
何しろ、かのジャック・ラカンと引き分けた偽ナギ本人だ。」
「「(偽ナギばれてるぅーーー!?)」」
白々しい言い逃れでセラスさんを焚き付けつつ、サラッと僕が偽ナギだと言う事まで
暴露される。まぁ当然か・・・横にいる僕と同じくらいの年の男の子が少なくともBクラスの
魔法使いだ。さっきから念話を使っていないのも、夕映さんもそれを警戒してだろうし、
ここは何とか政治的に収めてくれれば――
(『彼の挑発に乗らないでネギ君、狙いは貴方よ!手を出させて確保しようとしているの。』)
(『セラスさん!?』)
(『その男は危険よ、君達を賞金首に仕立て上げた一派の可能性が高いわ。
もしかすると『完全なる世界』残党などより恐ろしい敵……。』)
(『いえそうじゃな――!』)
「おやおや。」
「…っ!?」
治めるどころか、迂闊にも念話を飛ばして来たセラスさん。まさかと思っていた所に来たせいで
僕が止める間もなくクルト提督の粘着質な声が割って入った。・・・だから。
「人聞きの悪い事を言う……いや思う、一体何を根拠に?いやいや良かった、口に出していたら
コレ、問題になってましたね?……兎も角セラス総長、脇役は舞台袖で大人しくしていて
貰えませんか。」
「なっ……!?」
リアルタイムで念話を盗聴され、更に脇役扱いされた事で頭に血が上ったセラスさんは
黙り込み、指揮官が居なくなった騎士団も動きが止まり、エミリィさん達はさっきから
ナギがどうとか言ってわっちゃわっちゃと騒いでいる。
「さてネギ君、試合は見せて貰った。いやはや驚いたよ。驚愕した、驚嘆したよ。見事な物だ。
君の才能はそれこそ千の賛辞に値する。紳士的な試合の中でとは言えあの黒姫と狼幼姫を退け
ジャック・ラカンと引き分けたのです。君の力は本物だ。全く以って空前絶後だ、前代未聞だ。
さて、しかし―――」
気取った仕草で髪をかき上げると、まるで愚か者を見る様にスゥッと眼が細められる。
「君は手に入れたその力で一体何をすると言うのです?平和な国の学園に戻って平穏に暮らす?
いやいや、そんな事は許され
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