アインクラッド 後編
圏内事件 3
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唐突に腕を真横に引っ張られ、マサキは右向きに傾いた。何とか足を出して転ぶのを回避するが、たたらを踏んでいる間にも手は引かれていく。そして、雀の涙ほどの筋力値しか持たないマサキでは、手を振りほどくことさえ叶わない。
「わ、美味しそう。マサキ君は、何味にする?」
マサキは走りながら溜息をつく。
「何だっていい……」
目の前には、楽しそうに跳ねるポニーテール。
手首から伝わる力と温かさが、こんな風に強制的に連れ回される道草も以前は日常茶飯事だったことをマサキに思い出させて。
昨日今日と、よく昔を思い出すな、とマサキは思った。
彼――トウマの死から、もうすぐ一年になる。
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