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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第473話】
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言葉を掻き消す様に【白亜の光刃】で切り裂く漆黒の機体――その一撃により隊長機のアラクネのシールドエネルギーはゼロとなり、海面へとまっ逆さまに墜ちていった。
だが、すんでの所でラファール・リヴァイヴ一機が救出――残ったもう一機は果敢にも攻めようと接近戦を仕掛けようと動く。
『よくも……よくも隊長をーーッ!!』
叫びが空へと吸われていく、展開した近接ブレードを振るう――だがその一撃は容易く受け止められた、巨大な大剣によって。
だがそれで怯む様な訓練は受けていなかった、例え量産機と言えどISを預かる程の腕があるという自信もあり、果敢に何度も相手と切り結ぶ。
大剣の一撃は重く、そして相手の操縦者の技量も相まってか軽々振り回す――内心焦りを隠せなかった。
任された自信はあれど、簡単に捌かれ、隙あれば大剣の一撃によって大幅にエネルギーは削られ、更に突破された一撃一撃によって全身の装甲が破壊されていく。
隊長ともう一機が安全圏に離脱した頃には既にラファール・リヴァイヴはぼろぼろになっていて、肌の露出の方が多いぐらいだった。
『……ッ、こんな簡単に私が……!』
エネルギーは枯渇寸前、なのに相手は無傷――否、幾らかはエネルギーは削っただろう、だが既にもう勝ち目が無いのは明白だった。
漆黒の機体は相手の首筋に大剣の切っ先を当てる――目を見開き、背中に冷たい汗が流れるのを感じたその時、新たにやって来た機影が一機、ハイパーセンサーに表示された。
機影はアメリカの第三世代型であるファング・クエイク――搭乗者は国家代表のイーリス・コーリング。
空域へとやって来たイーリスの機体には長距離移動用の大型ブースターが装備されていて、使い終えたそれは機体からパージされるや海面へとバラバラに墜ちていった。
『おう、後は任せてお前は退避しな。 この不法侵入者は此方で面倒見るぜ』
『す、すみません……後は頼みます……』
そう言い残し、ぼろぼろのラファール・リヴァイヴはふらふらと覚束ない飛行で空域を離脱していった。
『さぁて、一応世話になったお礼と、大国に喧嘩売った責任はとってもらわねぇとな』
巨大な拳を重ねて打ち鳴らし、激しく火花を巻き散らかせたイーリスの闘志は燃え上がっていた。
先手を取ったのはイーリス――瞬時加速で間合いを詰め、巨大な拳による二連撃――だが、その打撃は不可視の障壁によって阻まれる。
『なんだ? シールドバリアーじゃねぇな……変わった機体だぜ』
イーリスはごちる、そして目の前の機体を睨み付けた。
『ニラミツケテモビビルコトハナイ』
『……機械音声だと? へっ、聞かれたくない声ってか!?
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