番外編4。人喰い村と魔女と……
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彼の物語にはなっていない。
私が『魔女・ニトゥレスト』として呼ばれているように、彼女も秘密がある物語という事に気づいていないのだ。
「邪魔をするなら貴女のその美味しそうな魂も……いただきまーす、するよ?」
「グルルルルル」
本当ならすぐにでもモンジ君の近くに行きたいけど……目の前に極上の獲物が現れたので。
私は目の前に現れた最強の存在に挑む事にする。
なんて思っていたけど。
「無駄な戦いをするなんて……非合理的〜!
させないよ……『無限隙間空間』!」
私がリサちゃんに近寄ろうとした瞬間。
どこかで聞いた事があるような声が聞こえ。
突然、雪が降り始めて。異変に気づいた時にはすでにリサちゃんの体は何もない空間の中に吸い込まれてしまった。
私は突然の出来事に 呆然としてしまう。
リサちゃんが忽然とその姿を消してしまったからだ。
それは本当に突然だった。
何もない筈の空間に吸い込まれるようにして消えた『ジェヴォーダンの獣』。
降り続ける雪。
その雪は強く降り注ぎ視界を覆い尽くした。
そして弱まった時にはそこにはリサちゃんの姿はなかった。
「……神隠し?」
その言葉が自然と口から出たけど私は神隠しはもうモンジ君が攻略したというのを知っている。
だから違う。これは神隠しじゃない。
誰かは解らないけど別のロアの力だ。
『神隠し』以外にも神隠しと同じような能力を持つ存在が近くにいる??
正直、パニックになりそうになった。
周囲を見回してもそこにいるのは消えそうになっている村人達と。
槍に貫かれて燃やされている詩乃ちゃんしかいない。
ただ解るのは降り続ける雪が魔術で作られているという事だけ。
これは魔女の仕業?
雪を降らせる魔女。
いろいろと疑問に思う事があるけど。
今はとにかく。
目の前の少女の後始末を先にする事にしよう。
そう思い人喰い村のロアである詩乃ちゃんに向き合う。
「どうする? 消えたくない?」
能力を使いすぎたせいか、支払う代償とか、蟲達に提供する血とかを考えつつ、私は詩乃ちゃんに声をかける。
「私が食べたロアは、いつまでも私の中で生き続けるの」
「消えないで済むの?」
「そういうロアだからね、私」
放っておいても、この『朱井詩乃』という『人喰い村のロア』は消滅する。
何故なら、名付け親である『神隠し』からしてみれば、自分のせいで大勢の人を食べてしまったこのロアには残っていてほしくないはずだからだ。
でも、それは……ロア側からしてみれば身勝手な話。
私達ロアは人間の噂から生まれた存在。
つまり、人間が
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