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101番目の舶ィ語
番外編2。とある魔女の現地調査《フィールドワーク》
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うと足掻いてくれた。
私は彼を襲って殺そうとしていたのにも関わらず。ましてや、襲った私を助ける為に『自分の物語』に加えるなんて普通はしないと思うのに。
これまでいろんなロアと戦ってきたけど彼みたいなタイプはいなかった。

「お人好しというか、女の子に甘いというか、普通ならしない選択肢を迷わず選ぶところとか……モンジ君って本当、面白いよねー」

クスクス私が笑いながら言うと彼は「ふむ?」とよく解らないといった感じで首を傾げて呟いた。

「それについてはよく解らないな。女性の恋心は僕の苦手な分野だからね。
ただ解った事もある。この世界でも彼は女たらしだという事はよく解ったよ」

「モンジ君が女たらしなのは結構昔からだと思うよ?」

私がそう言うと彼はクスッと笑った。

「それも因果かな? まあ、どっちにしろ彼が来てくれた事は喜ばしい事だよ。
彼なら君が抱えている問題も神隠しもすぐに片付くだろうからね」

「教授がそこまで言うなんて珍しいね?」

「彼は僕が認めた男だからね。
なんたって彼は『史上最高の名探偵』と呼ばれた僕の推理を翻した男だからね」

「へー、『史上最高の名探偵』かあ。
まさか教授の正体が______とはね?」

「おっと、そう言えばキリカ君にはまだ名乗っていなかったかな。
では改めて。僕は______だ」

「英国が誇る『最高の名探偵』かあ。
有名なロアの正体が教授だとはねぇ。
そんな教授が私に会いに来たなんて……なんだかおっかないなぁー」

「『魔女喰いの魔女』にそう思ってもらえたなら光栄だよ」

手にパイプを持って口に含んだ彼に私は一言告げた。

「構内禁煙だよ?
それに、まずって事はまだ忠告する事があるって事だよね?」

「安心したまえ。僕が手にしているこれは電子パイプだよ。
だからタバコではない」

「いや、そういう問題じゃないと思うけど……」

「忠告の二つめだが……「ああ?? またスルーされたー??」これは君より彼に関わる事だが……近いうちに『最強の主人公』が君達の前に現れるだろう。
いや安心したまえ、それは僕ではないからね。
僕はこの世界でも『最高の名探偵』と呼ばれているが『最強の主人公』では残念ながらないからね」

教授はそう言いながら電子パイプを蒸しはじめた。

「最強の主人公……まさか??」

その存在については聞いた事がある。
当たってほしくないくらい私達ロアにとっては危険で最悪な都市伝説だけど。
本心でも当たってほしくない。いくら私が『魔女喰いの魔女』だとしても噂通りなら『消される』可能性が高い存在だからだ。

「3つ目だが……もう間も無く封印が解かれるだろう。
あの『予言』の彼女が解き放たれる日が近い
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