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101番目の舶ィ語
番外編2。とある魔女の現地調査《フィールドワーク》
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けどナンパとかじゃなかった。
いや、ただのナンパならまだよかったかな。
基本的に人を嫌いにならない私だけど彼だけは苦手だと今でも思ってしまう。
彼は私の全てを知っていたからだ。
私が隠している秘密も全て。

「……どうして知ってるの?」

今まで私の秘密に気づいた人はいない。
気づかせる前に全て消してきたからだ。

「それは初歩的な推理だよ、ニトゥレスト君」

彼は私の秘密をその場で全て言い当ててみせた。
イタズラに成功した子供のような笑みを浮かべて。







「日本に来てたんだ??」

「うん。僕の推理通りなら、面白い人物がこちらの世界に来ているはずだからね」

過去を振り返っていた私が我に返って目の前にいる男性に尋ねると私の顔を見つめる彼は微笑みながらそう言ってきた。

「こちらの世界?
ああ、その人は私達みたいなロアなの?」

私の知らないロアについてなのかと、そう結論づけて聞いてみると彼は。

「残念ながらその問いにはこう返すよ。
半分正確で、半分外れだ……とね」

意味深げに言った。

「?」

半分正確で、半分外れ……どういう意味だろう?

「こちらの世界に僕が来れたくらいだから彼が来てもおかしくはないんだけどね。
だけど運命を感じてしまったよ。
まさか彼が物語の『主人公』になるなんてね」

「ほえ?
まさかモンジ君の事。2人は知り合いだったの?」

一体いつの間にモンジ君は彼と出会っていたのだろうか?
私が知らないうちに出会っていた事実に戸惑いを見せると彼は驚きの発言をした。

「彼とは深い縁があるからね。
だからいつかは再び出会う、それは推理していたよ。
今日、こうしてわざわざ僕が来たのは君達に忠告しておくことがあるからだよ。
まず一つ目。君達が追っている神隠しだが今回騒がれているこれはただの神隠しではない。真実を知れば君達だけではなく彼女達も傷つく事になる。
それでも続けるかね?」

彼の口から出された質問に私は一瞬戸惑ったが戸惑ったのはほんの一瞬で自然と口からその質問に対する答えが出ていた。

「う〜ん、私もなんとなくそんな気はするんだけどねー。でもモンジ君なら大丈夫だと思うよ?」

「……何故だい?」

「うーん、はっきり言えないんだけど彼って、スケコマシで女たらしだけど……やるって決めたら最後まできちんとやる子だからかなー」

「ほぅ……」

「それに……もし神隠しが女の子ならモンジ君なら何がなんでも助けようとすると思うんだよねー」

瑞江ちゃんの時の状況は詳しくは知らないけど少なくとも私の時は、彼は最後まで私を見て、ロアとかそういう目で見ないで、一人の人間として仁藤キリカとして、私を信じよ
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