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101番目の舶ィ語
番外編2。とある魔女の現地調査《フィールドワーク》
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も紳士! という感じの初老の男性が杖を片手に佇んでいた。

「久しぶりだね、ニトゥレスト君。
いや、今は仁藤キリカ君と言った方がいいのかな?」

「あはは、うん、キリカ?って呼んでもいいよ?」

「さて、キリカ君」

「うわぁ、スルーした??」

「その返答は推理していたよ。そしてその要望にはノーと答えよう。
流石にこの歳でキリカ?って呼ぶのは紳士道に反するからね。
だから敢えてこう呼ばせていただこう『魔女喰いの魔女・ニトゥレスト』君と」

「ちぇー、相変わらずお堅いんだから、教授(プロフェシオン)は……」

そう言いながらも私は彼と出会ったあの日の事を思い出していた。










彼の事は本人の希望もあって教授(プロフェシオン)と呼んでいる……本名は知らない。名前を聞く前に消えてしまうから解らない。
この老人と初めて出会いは今から10年ほど前に遡る。
当時、10数年前、日本のみならず世界中でとある都市伝説が流行っていた頃で、『世界中』を巻き込んで大パニックになっていた時だった。人間にはあまり知られていないが当時、世界各地ではその都市伝説を倒す為に人間、ハーフロア、ロアが手を取り合って世界中を巻き込んだ大きな戦いが起こっていた。
私は当時、その戦いに参加していた。この世界を守る為に。
その戦いは大きな犠牲が出るくらいに激しい戦いで沢山の人やロアが消えた。
元凶となったロアはとある『ロア』の中に封じ込められ、その結果、世界に平和が戻ったがその戦いであまりに大きな犠牲が出てしまった。
まあ、『魔女』の私からしたらどっちが勝とうが、負けようがどうでもよかったというのが本音だけど……偶々仲良くなった子が人間側にいたからそっちの『勢力』として参加していただけだからね。

戦いが終わった後、『魔女』と呼ばれた私は多くのロアと戦った影響で疲労困憊した身体を休める為に英国でバカンスを楽しんでいた。
バカンスというより療養していたといった方が正しいけど。
私の魔術は代償を支払う事で強力な術が使えるからね。
体調がある程度回復した私は街中のカフェでアフタヌーンティーを嗜んでいると店員が私に声をかけてきた。
周りの席がいっぱいで相席を求められてきた店員に頷いて相席を許可すると私の目の前の席に彼が座った。
それが彼との出会いだ。
英国紳士と自称するように立ち振る舞いは紳士的で会話しなくても利発という雰囲気が感じられる男性だった。

「やあ、初めまして。この時間のここに来れば君に出会えるとそう、推理していたよ」

席に着くやいきなりそう声をかけてきた彼。

「『魔女喰いの魔女』……いや、正確には______といった方がいいのかな?」

最初はナンパかなぁーと思ってしまった
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