暁 〜小説投稿サイト〜
ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第3章 しばしの休息 ハイネセン第33中央軍病院
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

帰り道私はおそらく死人の顔をしていたであろう。
そのまま、病室に帰るなり私のベッドの横に座ったダンディーな少佐に出くわした。
ローゼンリッター連隊 第1中隊 中隊長 ワルター・フォン・シェーンコップ少佐であった。
・・・・・
少佐は私がまだ、ヘンシェルで入院していたころ訪ねてきて。
一言だけ言って帰って行った
「うち(ローゼンリッター)に来ないか?」
だけだったが、私は敬礼をする間もなく彼はあの悪魔のような美形の笑顔で帰って行った。
・・・・・
少佐は
「元気だったか、ヘンシェルの英雄君」
私は巷でそのように呼ばれていたがこれが大っ嫌いであった。
私は
「はっ。おかげさまで何とか。このように無事でございます。」
私は敬礼を返した。
そのときは人生で3番目に緊張した瞬間であった。
2番目はあのブリュンヒルト内での白兵戦で「奴」と戦ったとき
1番目は…今は言わないでおこう。
この人生3番目の緊張の理由は明白であった。
なんたってあのローゼンリッターでも1位2位を争う白兵戦の名手が私に直接会いに来たのだから。
「あの、少佐何か小官に御用でございましょうか?」
少佐は
「ふん、わかりきったことを聞くやつだ。
貴官は頭は悪い奴ではないはずだ、わかっているよな。」
当然わかっているに決まっていた
「あの事でございますか?
ローゼンリッター連隊の…!」
といった瞬間に少佐のポケットに入っていた左手からコンバットナイフが飛んできた!!
私は瞬時によけようとしたが、体力が落ちていたためによろけてしまった。
が、うまくよけきった。
「合格だ。
この至近距離から、しかも貴官の今の体力でよけきったのは大したものだ。
明日、第8艦隊司令部のローゼンリッター連隊本部に来い。
貴官が少尉任官した後、うちに配属するための手続きだ。」
・・・・・・・・・。
もはや、恐怖と頭の中の混沌以外の何物でもなかった。
すると少佐は
「これはローゼンリッターで使っている訓練という名の実戦でのナイフだ。
貴官にこれをやる。
大事に使えよ。」
と言って投げ飛ばしたコンバットナイフを抜き、鞘におさめて私に手渡した。
そのつかには
「エーリッヒ・フォン・シュナイダー 宇宙歴791年 ローゼンリッター連隊入隊」
と書かれており、裏にはローゼンリッターの部隊章がついていた。
すると少佐は
私の肩をたたき
「明日待ってるから、必ず来い。
もう過去のことは忘れろ。
前を向け。そして、戦い続けろ。
立って、生きて、戦って、生きろ。
シュナイダー少尉」
と言って、私の病室を出て行った。
そのまま、まじまじとコンバットナイフを見つめた。
まさに夢が現実になった瞬間であった。
自分がローゼンリッター連隊に入隊。ついこの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ