幕間 〜二人の道化師〜
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ゃんっ!」
「ちーほーだ!」
「れんほーちゃんもいるー!」
たたっと駆け出す子供達の方を振り向けば、三人の少女が目に留まった。
「元気に遊んでるか悪がきどもー! って、あ!」
「いい子にしてたかなー? あ! 秋くーん!」
「……これは……あ……」
三者三様の声を発しながら、彼女達の目にも彼が留まる。
絡む視線に、彼は居辛そうにがしがしと頭を掻いた。
「うっわ! 秋斗!? 何してんの!?」
「秋くんがサボって遊んでるー」
「……報告しないと」
「うっせ。休憩中だよ」
「あーあ、いけないんだー♪」
「はぁ……お前さんは知ってるだろがよ。それより眼鏡はどうした、天和?」
「置いて来たよ? だってもう必要ないもーん。秋くんがどんな人か分かったから」
「……まあ、深くは聞かないでおくけどさ」
「ふっふー♪ ありがと秋くん♪」
この三人の少女は、この街でも有名な歌姫三姉妹である。
華琳の領地内で舞台を行い、店長の店を宣伝したりもするのだが、如何せん彼とは時機が合わずに三人とは顔を合わせずに居た。
とは言えど、一人だけ彼と事前に知り合っていたモノは居た。
「姉さんが子供と遊びたいって言うから来てみたけど……こういうこと?」
「うん♪ 秋くんとは結構此処で遊んでたんだけどね。大きな戦も終わったし顔合わせもしたから三人でもいいかなって」
宴の時に驚いたのは彼である。天和は彼が誰かを知っていたが、秋斗は彼女のことを知らずに居た。
戦の前もこうして子供と遊んでいたわけだが、天和は街を散策している時に彼と出会い、正体を隠して一緒に遊んでいたのである。
一応、顔が売れているモノ同士が一緒に居ると何かと面倒なことがある。彼が男である以上は、役満姉妹のセンターポジションである彼女はそういった気遣いも見せねばならない。
現代のアイドルに近しい役満姉妹の在り方を読み取り、そんな天和の心遣いに秋斗の方も気付いている。というか、宴会で顔を合わせて正体を知ってしまえばそのくらいは読み取れた。
三人で来ているのなら、別に眼鏡で変装せずともよい。役満姉妹が子供と遊んでいると宣伝出来るのだから。
其処に偶然、彼が居合わせただけ、下世話なゴシップ記事などにもならない為、それでいいのだ。
「皆で遊ぼうよ!」
「うん! お姉ちゃん達も一緒がいい!」
口ぐちに同意の声を上げる子供達を前にすれば、秋斗の表情が綻ぶのは当然で……しかしながら、彼としては長いこと時間を使いすぎるわけにも行かない。
「あー、すまんが俺はそろそろ仕事に戻らなきゃならん」
「えー! 徐晃様も一緒がいい!」
「徐晃様も一緒じゃないといやー」
当然、帰ると言えばごねられる。楽しい時間を一緒に過ごせば名
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