world war6−『要の歯車』−
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……あの『歯車』は、適性を持った者のみが手にする事が出来ます。ちなみに私は無理でした。手に取ってみてください」
「……はい」
促されるままに宝玉に手を伸ばす。
指先がその宝玉に触れるかどうか−−そんなタイミングで、宝玉から発せられた結界が、その手を阻んだ。
「私では無理……のようですね」
「じゃあ私がいきますね〜」
入れ替わるようにホロウが手を伸ばす。それも結界に阻まれた。ダークも同様の結界だ。
「……参りましたね、此処にいるメンバーでは無理のようです。時間は掛かりますが、外と空間を繋いで仲間を呼ぶ−−」
ピクリと、ソーニャが元来た道を見た。
何も変わっては居ない。だが、そこから漏れ出す瘴気だけはしっかりと感じ取れた。
「−−のは、無理のようですね。なんとか援軍が来るまで持ち堪えましょう」
「ですね〜。……来ますよ……!」
−−−−バクンッ!
突如。
その空間が、『追放』される。
削り取られた訳ではない。破壊された訳でもない。
元から何も無かったかのように、『何の違和感もなく』消え去ったのだ。
「……しつこい男は嫌われるって言葉、知ってますか?」
「……俺という概念に性別は無いし、そもそもそんな人間が作った言葉など知った事では無い」
ソーニャの軽い罵倒に、事務的に返答を返す『 』。
こんな小さな会話ですら、やはりこの二人は『生き物』では無いのだと実感する。
−−死地に立たされた時、人は何を思うだろうか。
溢れ出る闇か?
漏れ出す夢か?
心を覆い尽くした恐怖か?
狂った思想からの妄想か?
「−−『始祖ヲ眺メルハ終末ナル焔』」
「−−『機械仕掛けの神の夢』」
−−『ソレ』を体現した二つの『世界』は、総てを混沌へと呑み込んだ。
世界転生まで、あと42時間。
《滅びの依り代》の完成まで、あと40時間。
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