world war6−『要の歯車』−
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「やってみれば分かる−−『及バヌ神ハ流星ヲ見ル』」
「……付き合っている暇はありません−−『機械仕掛けの神の悪夢』
片や、全世界の管理者。総てを追放し、総てを生み出す、『物語』の化身。
片や、夢と幻想の『世界』の管理者。人々の夢を現へとする、『夢想』の化身。
光を喰らう、滅びの流星が空を駆ける。その姿は、まるで深淵を告げに降りた死神であるかの様に。
夢を抜け出した、一対の盾の姿が現界する。その姿は、まるで総てを拒絶する感情無き騎士の様に。
滅びと夢は混じり、反発し、捻れ、収束し、そして−−
__次元を引き裂く、断層へと転生した。
虚空へと消える道。切り離される二つの人影。その内片方は、すぐに走り出すと、その後ろに棒立ちになっていた三人を連れて、奥へと駆けた。
「……少し走ります!少しなら時間も稼げるでしょうが、あくまでも少しだけです。急いで!」
眠たげな顔からは想像もできない様な声。そして『相手より絶対に早く動ける』という異能を持つホロウすら凌駕するスピード。
その全てが、アッシュには異質に見えた。
◇◇◇
ましろと天冠は、その惨状に眼を見開いた。
闇に覆われた街、光が一切無い風景、死に絶えた植物、人の気配一つないビル群。
間違い無い。以前接触した『 』の物だ。それも、ケタ外れに強化された。
−−いや、正確には、以前のが『普通より弱い個体』だっただけなのだ。
「……行きましょう、仲間が先行している筈です」
「……分かりました」
天冠が闇を斬り払い、『扉』への道を開く。
その先に待ち受ける、『絶対強者』の元へと繋がる道を−−
◇◇◇
「……此処が、『玉座』……?」
扉の奥、其処に広がる『セカイ』の最深部。『玉座』
暗い、暗い夜空の様にも見える天蓋には、数多の星の輝きが見える。
その頂上に浮かぶは、一際大きな輝きを放つ漆黒の球体。
漆黒でありながら光を放つという奇妙な球体は、見ればその中にまた宇宙が広がっているのだ。
光を放っているのは、それらの星々。
その光が照らす大地の中心には、小さな台座があった。
黒曜石のような艶を持った不気味なソレの上には、虹色に輝く美しい宝玉が嵌められていた。その中には、幾重にも重なる波紋が刻まれている。
間違いない、あの宝玉こそが『歯車』だ。
証拠は無い。ヒントすら無い。しかし確信があった。
その確信を自分達に植え付ける程の力が、あの宝玉には眠っている。
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ