暁 〜小説投稿サイト〜
ワールド・エゴ 〜世界を創りし者〜
world war6−『要の歯車』−
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「やってみれば分かる−−『及バヌ神ハ流星ヲ見ル(スターバースト・ストリーム)』」

「……付き合っている暇はありません−−『機械仕掛けの神の悪夢(ソーニャ・ナイトメア・シアター)

片や、全世界の管理者。総てを追放し、総てを生み出す、『物語』の化身。
片や、夢と幻想の『世界(人々の総意)』の管理者。人々の夢を現へとする、『夢想』の化身。

光を喰らう、滅びの流星が空を駆ける。その姿は、まるで深淵を告げに降りた死神であるかの様に。

夢を抜け出した、一対の盾の姿が現界する。その姿は、まるで総てを拒絶する感情無き騎士の様に。

滅びと夢は混じり、反発し、捻れ、収束し、そして−−

__次元を引き裂く、断層へと転生した。

虚空へと消える道。切り離される二つの人影。その内片方は、すぐに走り出すと、その後ろに棒立ちになっていた三人を連れて、奥へと駆けた。

「……少し走ります!少しなら時間も稼げるでしょうが、あくまでも少しだけです。急いで!」

眠たげな顔からは想像もできない様な声。そして『相手より絶対に早く動ける』という異能を持つホロウすら凌駕するスピード。

その全てが、アッシュには異質に見えた。







◇◇◇






ましろと天冠は、その惨状に眼を見開いた。

闇に覆われた街、光が一切無い風景、死に絶えた植物、人の気配一つないビル群。

間違い無い。以前接触した『 』の物だ。それも、ケタ外れに強化された。

−−いや、正確には、以前のが『普通より弱い個体』だっただけなのだ。

「……行きましょう、仲間が先行している筈です」

「……分かりました」

天冠が闇を斬り払い、『扉』への道を開く。
その先に待ち受ける、『絶対強者』の元へと繋がる道を−−







◇◇◇








「……此処が、『玉座』……?」

扉の奥、其処に広がる『セカイ』の最深部。『玉座(果ての大地)

暗い、暗い夜空の様にも見える天蓋には、数多の星の輝きが見える。
その頂上に浮かぶは、一際大きな輝きを放つ漆黒の球体。

漆黒でありながら光を放つという奇妙な球体は、見ればその中にまた宇宙が広がっているのだ。
光を放っているのは、それらの星々。

その光が照らす大地の中心には、小さな台座があった。

黒曜石のような艶を持った不気味なソレの上には、虹色に輝く美しい宝玉が嵌められていた。その中には、幾重にも重なる波紋が刻まれている。

間違いない、あの宝玉こそが『歯車』だ。

証拠は無い。ヒントすら無い。しかし確信があった。

その確信を自分達に植え付ける程の力が、あの宝玉には眠っている。


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