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悪徳
3部分:第三章
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が燃えるのか」
「偶然とは恐ろしいものだな」
「全ては神の御意志だ」
 白々しいがわざと言っているから彼等にしろわかっている。
「これもまたな」
「そうだな。全ては神の御意志」
「何もかも」
 他の者達もそれに合わせて白々しい言葉を出した。
「そういうことだな。そういえばあの枢機卿殿は領民には好かれていなかったな」
「ではそこに鼻薬を用意しておくか」
「もう一ついいプレゼントを彼等に贈ろう」
 こうした言葉も出るのだった。
「よい領主をな。これでいい」
「そうだな。若し何かがあろうとも」
「彼等がこっそりとやってくれる」
「そういうことだ。そして」
「まだ何かあるか?」
「邪魔になりそうな方はまだおられるか?」
「宴の用意だ」
 ここで急に話が変わった感じになった。それまでの邪悪な白々しさに満ちたものから急に楽しいものになったのだった。だが何故か宴という言葉にも隠微さが含まれていた。

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