1部分:第一章
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のだ」
「ならば。精一杯絞ってだな」
「その通りだ。金はできた」
やはりそこからであった。
「買収できる人間はもうわかっているか」
「うむ、既にな」
「何人か。わかっている」
「よし」
誰かがその言葉を聞いて会心の声をあげた。
「ならばいい。上出来だ」
「上出来か」
「何事も金だ」
教会にあるまじき言葉ではある。
「金だからな。まずはそれをばらまくぞ」
「わかった」
「枢機卿様もこう仰っておられる」
ここで枢機卿という言葉が出て来た。言うまでもなく教会の頂点にある法皇を補佐する立場にいる者達だ。その緋色の法衣の持つ富と名誉は一国の君主にも匹敵する。
「そうな。いいな」6
「よし。ではこれをありったけばら撒くか」
「まずは野心のない枢機卿の方々にだな」
「野心のないか」
「その通りだ」
こう言われるのであった。
「その方々に金を渡してそれで票にするのだ」
「票か」
「票は金だ」
この言葉も出された。
「金で手に入れるものだからな」
「だからか」
「しかしだ」
「どうした?」
「大抵の野心のない枢機卿の方々はいい」
それはいいとしたのだった。だがまだそれでも問題が残っている。そのことをはっきりと告げた言葉であった。それが何かというと。
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