第一部
一章
鉄人マークV 1-出撃!鉄人マークV
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今日も暑い。
だけどそんなことは関係ない。エアコンの効いたこの部屋から出る必要は無いんだから。
昨日からの夏休み、時間はたっぷりある。
来年、高校三年の夏は受験の準備で時間は無いだろう。
高校二年の、この夏しかない。
楽しみにしていたオンラインゲーム「ジ・ハード・オブ・ザ・ワールド」のダウンロードも終わっている。
僕のPCスペックでもスムーズに動いてくれるはずだ。
まさかとは思うけど知らない人のためにゲーム内容を説明しておくと
世界中で起きるテロ攻撃を、オンライン上で組んだチームで迎撃、防衛するんだ。
前作の「ブレーク・ジ・ハード」ではやり込んだ末に「リーダー」の上の「タイチョー」まで上り詰めた。「タイチョー」は全プレイヤー180万人の中の1万人しかいないんだ。
今作では、さらに上の「ダイタイショー」を目指す。
宿題は同じクラスの里谷に1万円で委託してある。塾は「自学に集中したいから。」と言って、夏休みの間は休みにしてもらった。
もうすぐ昼だ。
ママが昼食を運んでくるだろうが、PCに向かっていれば勉強していると思っているから、気にする必要はない。
さあ昼食前にチュートリアルは終わらせておこう。
(ズッドーーーーン!!)
な、なんだ目の前が真っ白だ!耳も聞こえない!臭い!焦げ臭い!
「ママー!ママー!」
叫びながら椅子から立ち上がろうとしたけど、バランスを崩して後ろに倒れてしまった!
痛い!腰を打ったよ。
「ママー!何があったのー!」
ふいに肩をつかまれた。
「コータ、雷よ。家の前の電柱に雷が落ちたみたい。大丈夫?」
ママの声だ。
いつの間にか、視力・聴力が回復していた。
でも暗い。外からカーテン越しに差し込む日差しだけだ。
「停電してるみたいね。コータなんともない?」
「うん。大丈夫。停電か・・・。」
え!停電!PCは?
あわてて立ち上がった僕の目の前には、うっすら白煙を上げるPCがあった。
うそだろ?
マウスを動かす。クリックを繰り返す。
当たり前だがモニターは真っ暗、反応は無い。
「ダメよ。リビングのテレビもつかないし、冷蔵庫も動いてない。」
後ろからママが言った。
「そ、そんな!無理無理!PCが壊れるなんて!」
「それどころじゃないわ。料理も出来ないし、食料品も痛んじゃう。」
ママは言いながら部屋を出た。
マズい!マズいぞ!ゲームは?いやメモリーが跳んだって事は、アレやコレやアノ画像も!
いや、とにかくオンラインゲームが出来ないのは、
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