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英雄は誰がために立つ
Life4 帰郷
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 ヴェネラナの言葉に何時から居たのか、背後からすっと銀髪の執事が現れた。そう、銀髪の執事が現れたのだ。
 銀髪に黒縁眼鏡をかけた長身の執事、藤村士郎が現れたのである。

 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 そんな士郎の姿を見た時、リアス及びリアス・グレモリー眷族の皆は全員固まった。

 「本日より、明日の夕刻まで皆様のお世話をさせて頂きます、藤村士郎と申します。以後お見知りおきを」
 『え・・・えぇええええええええええええ!!?!!?』

 士郎の自己紹介により固まっていたメンバーは、時を動かし始めた。
 兎も角、リアス達はこうして帰郷したのだった。


 ーInterludeー


 「遠慮なく楽しんでくれたまえ」
 (楽しめないっすよ!?)

 外出から夕餉の席に間に合ったグレモリー公爵の言葉から、ほとんどのモノが行儀よくテーブルマナーを使いこなし食べていた。
 ゼノヴィアは士郎に教わっていたので、お手本の様とはまだ行かなかったが、それなりに苦戦しつつも形になっていた。
 アーシアもゼノヴィアと同じ環境ならと、いつの間にか士郎に教わっていたらしく、ゼノヴィアと同じように一生懸命にナイフとフォークを使っていた。

 しかし、この中で数少なく手が進んでいない2人の内の1人である一誠は、テーブルマナーの基礎も碌に知らずに、無茶ぶりされているので、全く手を進めずにいた。
 それに加え、周りの給仕に混じって何故か士郎が執事服に身を包みながら立っていた事に困惑しているのもあって、一誠の手を止めている現実に拍車をかけていた。
 まぁ、それを言ってしまえば1人を除いたリアス及びリアス・グレモリー眷属全員が気になっている様子だ。
 士郎の今の状態について、今だ一言も説明がないのだから当然ではあるが。

 (だけど、このまま手をこまねいてるワケにもいかないんだよな〜。如何するか・・・・・って、あっ!?)

 つい手を空にした状態の内に、右手の薬指が一番右側のスプーンに当たり、落ちてしまった。
 それを慌てて拾うとしたら、既に落としたスプーンは見当たらず、代わりに士郎が横に居てスプーンを差し出してきていた。

 「恐れ入りますが、兵藤一誠様。あちらは既に落としてしまわれたので、こちらを代わりにお使いください」
 「は、はひ!」

 士郎からスプーンを受けっとた後には既に、士郎の姿は元の位置に戻って佇んでいた。

 (本当に一体何なんだ?それにしても、こ――――)
 (ナイフとフォーク、それにスプーンの使い方は、皿から見て全て外側から使うんだ一誠)
 「!?」

 テーブルマナーについてド素人も良い所なので、再び手に余る様に困惑している一誠の頭の中に、
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