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英雄は誰がために立つ
Life4 帰郷
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うなど、サーゼクスやリアスは勿論、ミリキャスにも顔向けのなど出来る筈も無い。何より、そんな判断をした自分を許せるかどうか、怪しいのだよ。だからと言う事ではないが、士郎君。君のあの楯を飾らせてもらうよ」

 自分の創り出した贋作に、そこまでの評価を堂々と言い放つグレモリー公爵並びにグレモリー夫人(御2人)に、嘗て『衛宮士郎』だった頃に仕えた貴族以上のものを感じっ取った藤村士郎は、此方こその感謝の念を覚えた様だ。

 「ありがとうございます。まさかその様に評価して頂けるとは、思ってもみませんでした。しかし、このままでは謝罪したことになるとも思えません」
 「生真面目すぎると思うが・・・」
 「――――旦那様、奥様、並びに士郎様。一つ、意見させてもよろしいでしょうか?」

 そこにグレイフィアが割ってはいる。

 「構いません。何かいい案があるのですね」
 「良案かは保証しかねますが、良ければご裁量の程よろしくお願いします」

 そうしてグレイフィアは、恭しく案を切り出していった。


 −Interlude−


 魔王領へ行くアザゼルと別れたリアス達は、グレイフィアや多くの従者たちに迎えられて馬車に乗り込んでから、本邸であるグレモリー公爵家の城の一つに着いた。
 この城に始めて来た一誠とアーシアにゼノヴィア(3人)は、圧倒されながら足を進めていく。
 そこで、まずは各自に用意された部屋で休めるとの事になり、一誠は安堵した。

 (よかった〜。こんな豪勢な所の部屋だと、それはそれで落ち着かなそうだけど、少なくとも休憩は出来る〜ぞ〜)
 「あら、リアス。帰って来ていたのね」

 一誠が安堵に胸を撫で下ろしていたら、亜麻色髪ときつめな目元以外はリアスとうり二つに見える女性、グレモリー夫人ことヴェネラナ・グレモリーが階段から降りて来た。

 「ただいま帰りました、お母様」

 リアスの言葉に度肝を抜かれる一誠。
 露骨に驚き思った事を口に出す一誠に、ヴェネラナはクスリと笑いかける。

 「嬉しいことを仰ってくださいますね。女の子だなんて言われたのは幾年前だったかしら?」

 艶っぽい声や仕草に息をのむ一誠。

 「悪魔は歳を取れば、魔力で見た目を改変させることが出来るのよ。後、母様に熱視線を送り続けないの!」

 一誠の反応に焼きもちを焼いたリアスは、説明と注意喚起をした。
 その後に互いの自己紹介も済ませる。

 「お母様、一度私の下僕たちである皆を休ませたいのですが、そろそろよろしいでしょうか?」
 「あら?そんな事に気付かずに、ごめんなさいね。皆さん」

 ヴェネラナの態度に全員恐縮するリアス眷属ら。

 「では、貴方も皆さんを案内して御上げなさい」
 「御意」

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