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英雄は誰がために立つ
Life4 帰郷
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ムの件についての謝罪よ。あなた」
 「お見受け通りです。サーゼクス様は、このままでは一方的に負けると思い、バランスを釣り合せるために私をスポット参入させようと考えたのでしょう。これは私見ですが、それでいい勝負になれば別の道もあったのではないかと愚考します。私が力を隠していた事で、グレモリー家並びにフェニックス家の皆様方に多大な迷惑をかけた事、深く謝罪いたします。本当に申し訳ありませんでした」

 確かに士郎の言にも一理あるが、そんなものはifの話に過ぎない。
 それに元々、サーゼクスからの相談が無ければ参入すらできなかった件を、自分にも責任が多分にあると謝罪しに来たことに驚きつつ、士郎の誠実さと真面目さに改めて触れたグレモリー公爵並びにグレモリー夫人(2人)だった。

 「解りました。ですから頭をお上げになって下さい、士郎さん。貴方の謝罪は受け入れますので」
 「士郎君に責任等があったとしても、ほんの一握りだと言うのに、良く謝罪にきてくれた。君の責任感は快く受け取らせてもらうよ!」

 2人の言葉に士郎は、垂らしていた頭を戻す。

 「そう言って頂けると、ありが――――」
 「・・・・・・ですが、謝罪のタイミングが少々狡猾ではありませんか?士郎さん」
 「何を言っているんだい?ヴェネラナ。士郎君にも事情があ――――」
 「あなたは黙っていてください」
 「・・・・・・・・・・・・・・・う、うむ・・・」

 実の妻の眼光に怯むグレモリー公爵。
 数年間の付き合いではあったが、目の前の2人と、この様な場面に陥った事が無かった士郎。

 (グレモリーさん。やっぱり、尻に敷かれてたんだな・・・)

 などと内心で失礼なこと思っていた。
 ヴェネラナは、そんな士郎を眼光で射貫く。実の夫ほどでは無いが。

 「話の続きですが、このタイミングでの謝罪は、私からリアスへの対応への緩和が目的ですね?」
 「・・・・・・・・・はい」

 ヴェネラナの疑問に正直に吐く士郎。恍け切れぬと観念したと言うか、最初からばれるとも思っていた様だ。

 「つまり、見抜かれる事を前提(・・・・・・・・・)とした面会ですね」
 「・・・・・・・・・はい」

 しかし、最初から予定通りの事だったとはいえ、ヴェネラナの眼光には色々来るものがあると、士郎は少々後悔した。

 「――――と言う事は、そのアタッシュケースがお詫びと無礼の謝罪の形と言う事ですか」
 「はい。全て、お察しの通りです。粗品ではありますが、お納めいただければ幸いです」

 机の上に置いてから、士郎がアタッシュケースを空けると、4本の黄金の角に4つの黄金の覆いが付いたひし形の盾が入っていた。

 「ほう・・・・・・!」
 「まぁ・・・・・・!」

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