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英雄は誰がために立つ
Life4 帰郷
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ていたと思われていたアザゼルが答える。

 「アザゼル!起きてたの?」
 「今さっき起きたんだがよ。ゼノヴィアの奴がピリピリしてたから、暫く静観してたんだよ」
 「だったら、起きて空気を和ましてくれてもいいじゃないっすか!」
 「アーシアの奴が和ませたんだから、いいじゃねぇか?」

 一誠の軽い非難にアザゼルは、手を振ってめんどくさそうに対応する。

 「それで、さっき口にしたことだが、如何いう意味だ?アザゼル――――先生」
 「お前もリアス同様に、『先生』を付ける事に慣れろ!・・・・・・で、質問の答えだが、確かに俺はこれからサーゼクスの奴から『お呼ばれ』されている。つまり会談があるが、藤村士郎(奴さん)が呼ばれてはいなかったはずだぜ・・・・・・っていうか、会談の出席に断られたらしいがな」
 「じゃあ、如何して士郎さんは先に行ったんだ・・・」

 皮肉な落ちを付けて説明するアザゼルに、敢えて皮肉をスルーするゼノヴィアは独り言ちる。

 「案外避けられてるんじゃねぇか?お前さん、奴さんの事に関すると暴走しがちだし・・・・・・って、な〜んちゃって――――」
 「そ、そんな!?私が士郎さんに避けられてるだと!そんな事あってたまるモノか!!」

 アザゼルのジョークに、過剰なまでに反応したゼノヴィアは、亜空間からデュランダルを抜き放つ。

 「ちょ!?待て!俺はちょっとしたジョークをだな―――」
 「ジョークで済まされるモノと、無いモノがある事を知るがいいぃ!」
 「待って、ゼノヴィア!」
 「アーシア!ゼノヴィアを止めて頂戴!!」

 士郎を話題に、何時の間にか修羅場が展開してしまい、結局収まったのはグレモリー本邸前に着く直前だったらしい。


 −Interlude−


 時刻を少し遡る。
 リアス達がまだ、各自家を出る前の頃に、当の士郎はグレモリー公爵本邸前に居た。

 「矢張り、人間の貴族と悪魔の貴族では、年季も格も違うな」

 士郎は本邸――――と言うより、城を見上げていた。
 士郎自身は大小あれど、城に招待された事もあったので今更圧倒されてはいなかったが、凄いと言う感想位は持っていた。
 しかし、何時まで経ってもその状態のままでは目的を果たす事も出来ないので、早速訪問のベルを鳴らす。
 
 『どちら様でしょうか?』
 「お忙しいところ、申し訳ありません。私、藤村士郎と言う者なのですが、グレモリー公爵閣下に拝謁の栄を頂けないでしょうか?」
 『藤村士郎様!?』

 呼び鈴の相手は、士郎が訪問して来たと瞬時に理解すると、焦り出す。

 「あの――――」
 『エリス!緊急事態だ!?お嬢様方がもう到着為されたようだぞ!近くに居る者達を片っ端から集めて、歓迎の準備を速
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