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歌集「春雪花」
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 抱きしめる

  温もりなくば

   わが腕は

 虚しく空を

    抱くばかりぞ



 彼を抱きしめることは…永久に叶わないだろう…。
 愛しい彼がいないのであれば…私は誰も抱くことなく、虚しく空を抱くしかない…。

 代わりを見つけようとも…思えないのだから…。



 君ぞなく

  時を無闇に

   投げ捨てし

 この有りの儘を

    綴りゆくなれ



 彼がいないこの時間…私はただ淡々と無駄に生きるだけの毎日…。

 彼の去ったここで…私は有りの儘を綴ってゆこう…。

 馬鹿にされ、罵られ…悔やんでようとも…彼が好きなことだけは嘘ではないのだから…。




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