sts 12 「過去からの想い」
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闇の書を巡る事件。長い間続いた負の連鎖を断ち切ることが出来たわけだが、はやてやシグナム達にとって大切な人を救えなかった」
「待てショウ、あれはあいつが望んだことだ」
「そうよ、ショウくんが自分を責め続けてもあの子は喜んだりしないわ」
「ああ、分かってる……どうしようもないことだって、仕方がなかったんだってのは分かっているんだ。だからこそ、俺はあいつに誓った……はやてやお前達、そしてリインを守れるくらいに強くなる。あの日みたいな悲しみを繰り返させないと」
確かな強い決意がショウさんの瞳にはあった。
過去の事件がどういう経緯で進んだのかは私には分からない。だけど今のショウさん達やさっき見た映像を見れば壮絶なぶつかり合いや葛藤があったように思える。
「それにさっきのなのはの一件……あれが起きるほんの少し前、俺はあいつが弱音を吐いたのを知ってる。けれど……俺の中にも今世間で抱いているようなエースだとかそういう認識があったんだ。だから当時の俺はそれに気づかず、あいつを止めてやることができなかった」
「そのことに関してもお前だけが責任を感じる必要はない」
「分かってるさ……けど俺が再び魔導師の道を歩もうとした理由のひとつではある。……まあ、それ以上に不屈のエースオブエースも人間なんだってことをこいつらに知ってもらいたかったんだけどな」
強い憧れを抱いているスバルだけでなく、私を含めた多くの人間はなのはさんのことを不屈のエースオブエースという認識がある。もしも自分が彼女の立場だった場合、感じるのは喜びよりもプレッシャーなのではないだろうか。それがなのはさんにもあって過去の出来事に繋がったのでは……。
そう考えると、もっときちんとなのはさんのことを知りたいと思える。今日の昼間に知ったなのはさんのような……不屈のエースオブエースではなく高町なのはとしての顔を。
「そして……4年前にはやてから部隊を作りたいと思ってる。実現できた時はメカニックとしてだけでなく、魔導師としても仕事してほしいなんてことを言われてな。なのは達よりも付き合いの長い奴だし、そんなに早く実現もできないと思ったから俺なりのペースで魔導師としての活動も始めたってだけの話さ」
さらりと言っているけれど、今日に至るまでに私の想像以上の努力を続けてきたんだろう。
私はこの人のことを天才だと思っていたけど違う。映像にも映っていたように小さい頃から地道に練習を続けて……なのはさんやフェイト隊長といった自分以上の力量を持った人に囲まれながらも、腐ることなく自分自身を磨き続けて今の実力を身に付けたんだ。
この前、ショウさんを天才呼ばわりした私にヴィータ副隊長が怒ったのが少しは分かる気がする。まだ知らないことの多い私でこれなのだから、長い付き合いのある彼女が感じるも
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