暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 12 「過去からの想い」
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う。それとショウには感謝をしておけ。こいつはこれまでに何度も似たような事故を経験しながらも新型カートリッジのテストを行い続けてきたんだからな」

 つまり……今のカートリッジシステムの安全性が高いのは、ショウさんが身を張ってテストをしてきてくれた結果なのだろう。
 ショウさんはこの前軽めの忠告くらいで言ってくれたけど……もしも私がもっと早く生まれていて管理局員になっていたのなら、ショウさんと同じような事故に遭っていたのかもしれない。
 いや、そもそもショウさんがいなかったならばカートリッジの安全性は今ほど高くなく、あのとき私とクロスミラージュは……考えただけで背筋が寒くなる。

「あの……何でショウさんは何度も危ない目に遭いながらもやり続けられたんですか?」
「メカニックとして、というのもあるんでしょうけど……最大の理由はなのはちゃんの件があったからでしょうね。カートリッジシステムの安全性が高まって、使用者への負担が減れば必然的に怪我をする可能性は低くなるわけだから」

 ショウさんに言わせてあげればよかったのに、とも思うけれど、あの人の場合は照れ隠しとかで誤魔化していた気がする。
 私達のことを考えて作ってもらえている教導メニュー。極めて高い安全を約束された最新式のデバイス……本当に私達はこの人達に大切にされてるんだ。
 話を聞けば聞くほど、ついこの間の自分の行動が愚かであり申し訳なく思ってくる。あんなことは必要がない時は2度としちゃいけない。そう強く思えるほどに……。

「あの……よければ教えてもらいたいんですけど、何でショウさんは魔導師の道も歩もうと思ったんですか? 話を聞いていた限り、最初はともかくメカニックの道を選んだように思えたんですけど」
「それは色んな後悔があったからだな。まず最初は両親が死んだ時、俺は魔力はあったが魔法は使えなかった。もしもあのとき魔法が使えてふたりと一緒に居たのなら今は……それが最初の大きな後悔」

 ショウさんは淡々と言葉を紡いでいるけれど、彼の瞳には確かな悲しい色が見える。不味いことを聞いてしまったとも思いもしたが、話すことを決めて話してくれているのだからしっかりと聞いて自分の糧にしたい。

「次に、俺はジュエルシードを巡る事件でプレシア・テスタロッサ……フェイトの母親を助けられなかった。虚数空間に落ちていく彼女の手を掴むことは出来たが……結局は」

 フェイト隊長のお母さんを自分が死なせてしまった。
 ショウさんの声にはそんな想いが感じられた。今の関係から考えてもフェイト隊長はショウさんのことを責めたりしてはいないだろうし、友人として接してくれていることに感謝しているのだろう。ショウさんもそれはきっと分かっているはず……だけど忘れられる過去ではないんだ。

「その次に……
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