sts 12 「過去からの想い」
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ように感じた。
この前の一件は、仲間の安全をかなぐり捨ててまで……自分の命を掛けてまででも撃たなくてはならない状況だったのかと。
「なのはの行っている訓練は成果が実感しにくいものがある。時として不満や焦りを覚えることだってあるだろう。……けどな、あいつはお前達に自分と同じ思いをさせたくない。お前達が無茶なんてしなくいいように、って心から思って教導している」
数値的なもので見れば、私達は日に日に成長していること。今はまだ実感がなくても、将来的にここでの経験が活きてくるはずだ。だからなのはさんのことを信じて付いて行け。
と、そのようなことをショウさんは口にする。
自分達がどれほど大切にされているのか、恵まれた環境にいるのか実感した私達の中には涙を浮かべている者も居た。
「ついでだし、あのことも説明しておいたほうがいいかな」
「そうですね。つい先日、無茶な使い方をした人物がいるという話も聞きましたし……マスター、よろしいですか?」
「ああ、どうせするつもりだったからな」
今の会話からして話題はなのはさんの教導のことから他に移るのだろうが、いったい何の話をするのだろうか。シグナム副隊長達は何となく予想が付いているように見えるが……。
「さっきシグナムが少し言っていたが、昔のカートリッジシステムは危険性が高い代物だった。今は技術の進歩のおかげで高い安全性が実現されているが……それでも過信や慢心、危機的状況を打開しようとして事故が起きないわけじゃない」
「まあみんなはそんな経験がないだろうし、どんな風になるかは映像を見た方が理解できるかな」
ファラさんは素早く操作を行うと、スクリーンに映像が流れ始める。そこに映っているのは先ほどよりは大きくなっているショウさん。手には紫色の長剣を持っている。色合いからしてファラさんではないのだろう。
スクリーンに映るショウさんがカートリッジを1発、2発とリロードした瞬間――爆音が鳴り響き紅蓮の炎と閃光が画面中を覆い隠した。
私の周囲から悲鳴が聞こえたかと思うと、画面には力なく倒れこんでいるショウさんの姿が映る。彼のバリアジャケットの右腕部分は吹き飛んでおり、ところどころ皮膚が焼け焦げていた。
「この事故に関して言えば、新型のカートリッジと魔力変換システム……簡単に言えば、属性変化を補助してくれるシステムを同時に使用したことで起きました。予想以上に新型のカートリッジで得られる魔力が多く、魔力変換システムや他の機能がオーバーヒートしてしまって起きたものです」
「だけどカートリッジシステムを使っただけで破損しちゃうデバイスは昔はたくさんあったから、事故が起こる理由はたくさんあるんだけどね」
「まあとにかく、これでお前達もカートリッジシステムに潜む危険性は理解しただろ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ