sts 12 「過去からの想い」
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
グナム副隊長のほうが上手。砲撃を食い破る一撃を受け止め切れなかったショウさんはダウンしてしまう。
けれどショウさんは立ち上がり、疾風のような連撃を繰り出していく。だがそれもシグナム副隊長には通じず……最後にふたりが選んだのは大技による決着だった。炎を纏った刃同士が交わり、片方が壊れる。結果から言えば、ショウさんはシグナム副隊長に負けたのだ。
「だが……彼女達は我らに打ち勝つためにある方法を選ぶ。当時はまだ安全性の怪しかったカートリッジシステムの使用。加えて、闇の書が覚醒してしまった後の決戦では体への負担を無視して自身の限界値を超えた力を引き出すフルドライブまで使用した」
長い銀髪の女性に立ち向かっていく黒と白の長剣を持ったショウさん。彼を援護していたなのはさんも魔力刃を形成して突貫、そこからのゼロレンジ砲撃を行う。
世界が終わってしまいそうな雰囲気の中で必死に戦い続けるふたりの姿は、見てるだけで辛くなってくる。けれどスクリーンに映っているショウさんやなのはさんの瞳には力強い光があって、決して諦めるようには見えなかった。
「彼女達の奮闘もあってこの事件は無事に終結を迎える。この事件を機にショウは戦闘から距離を置いたので問題はなかったが……嘱託魔導師であり、すぐに管理局に入ったなのはは誰かを救うため、自分の想いを通すための無茶を続けた」
「ここまで聞けば想像できるだろうが、カートリッジシステムやフルドライブの使用が体に負担を掛け、それが問題を生じさせないわけがない」
「……事故が起きたのは入局2年目の冬。異世界での捜査任務の帰り……ヴィータちゃんや部隊の仲間と一緒に出かけたんだけど、不意に現れた未確認体。いつものなのはちゃんなら対応できたんだろうけど、溜まっていた疲労や続けてきた無茶が一瞬なのはちゃんの動きを止めたの。……その結果がこれ」
シャマル先生が映像を切り替えると、そこに腹部から胸部、左腕に包帯が巻かれた状態で眠るなのはさんの姿が映った。私だけでなく、フォワード全員から悲鳴のような声が漏れる。
「なのはちゃん……無茶して迷惑掛けてごめんなさいって私達の前では笑ってた。けどもう空は飛べないかもとか、立って歩けなくなるかもとか言われてどんな思いだったか……」
シャマル先生の言葉と必死に痛みに耐えながらリハビリを行うなのはさんを見て、私達は思わず目を背けてしまう。だが直後、静かに鋭い声が発せられる。
「目を背けるな」
「見てて気分が良いものじゃないのは分かるが、最初にも言われたはずだ。これはお前達の行動次第で現実に起こりえることだとな」
「とはいえ、無茶をしなければならない状況や命掛けの戦いは確かにある。だが……そんな機会は滅多にない」
直接的ではないけど、私はショウさんにこう言われている
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ