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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十四幕 「残影乱舞」
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ちょっと涙目になりながらジトッとユウを睨む簪だが、その顔は不快感というより乙女の恥じらいが上回っているのかリンゴのように真赤で、掌をぎゅっと握りしめてぷるぷる震えている。そんないじましいリアクションをされるくらいならいっそ「スケベーッ!!」と叫んでスタンガンでも叩き込んでくれた方が分かりやすいのだが、彼女のリアクションはどこかそんなに嫌でもなさそうである。
で、どっちもそんな感じだから戦いの最中にも拘らず2人の間にはかなり微妙な空気を形成している。
………何をやっているんだろう、僕たち。ユウは無性に兄の助けが欲しくなった。
「不純異性交遊は許しませんの事よぉぉぉーーーーッ!!」
「……!ユウ、右に!」
「え?り、了解!!」
二機同時に右へ避けると同時に、2人がラブコメみたいなことをしていた甘い空気の辺りを光の鞭が斬り裂く。
「まだ来る!左斜め下!右!上……はフェイントで、正面から接近戦!!」
「よっ、ほっ、うおっと!?正面から!?なら、武陵桃源を腕部に集中!!」
瞬間、ステルスのまま接近してきた雷陰の両手から刃が煌めいた。
「変移抜刀、疾風斬り!」
「させるかッ!どりゃあぁぁぁぁぁッ!!」
「ウソ、読まれた!?……でも、それだけならッ!!」
風花の桃色に輝く拳に意表をつかれた雷陰だったが、直後に手に持った熱量の刃を変幻自在に軌道変化させ、叩き込んでくる。バリアで辛うじて防ぎながら攻めるが、足技に自立型マフラーまでをも使った手数の大さと絡め取るような動きに翻弄される。
それでも、ユウは音や気配を頼りに通常視界戦闘と同程度に動けていた。
前日にジョウが突然言い出した「深夜訓練」のおかげで、むしろいつもよりも頭が冴える。
視界が悪いが故に、より相手の動きを強くイメージできる。兄さんっては本当に未来予知でも使えるんじゃないのか?と思いたくなるほどだ。視界に頼らない分、より直感的な部分が研ぎ澄まされていく。
(ッ……思いがけないタイミングだけど、チャンスだ!ここで逃がすわけには……!!)
向こうから接近戦に飛び込んできてくれた。これはユウにとってはピンチであると同時にチャンスでもある。接近戦における相手のデータを得るチャンス……そして、万一程度残った小さな逆転の可能性が最も大きくなるチャンスだ。
戦いに於いては技量もだが、泥にまみれてでも食らいつくガッツと根性が100分の一以下の隙を引きずり出す瞬間と言うものがある。可能性があるのなら、例え実力差があろうとも食らいつく。もとよりそれ以外に格上に勝つ方法は知らない。
「よっ、気合入ってるわね!!彼女のお尻で熱いリビドー感じちゃった健全ISなのかなぁッ!?」
「言っている意味はよく分からないけど人の事小馬鹿に
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