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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十四幕 「残影乱舞」
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える網膜投射ホロモニタにほくそ笑む。

 久々に――兵士として大暴れさせてもらう!!



 = =



「ユウ……また、向かって来ると思う?」
「間違いなく来ると思うな。一撃必殺の威力じゃなかったし、直前で身を逸らして衝撃をいくらか殺してた」
「………本当に、何者?」
「忍者かな、多分。イガかコウガかまでは知らないけど」
「……笑えない」

 先ほど雷陰を吹き飛ばした方向を注意深く観察しながら、2人は口早に言葉を交わした。
 あれで終わるような相手ではない、とユウは確信している。変な話だが、信頼と言ってもいい。実際に拳を直に交わしたからこそ感じる相手の実力と、先ほどの一撃を照らし合わせ、あれで終わるはずがないと確信できた。
 簪としては、あれだけの威力なら気絶していてもおかしくないとさえ考えているが、そもそも彼女も倒せたとは思えないからユウに確認を取ったのだ。おかげで二人は「これで終わりじゃない」という共通認識を得た。

「次は何を仕掛けてくる?兄さんたちが戻ってくるにも先生たちが異常に気付くにも、もうそんなに時間が残ってない。ならば大火力によるゴリ押しか、速度に任せた撹乱戦法か……あるいはまだ切り札を抱えてる?どれにしても短期決戦で一気に仕留めに来ると思う」
「わかった。ユウがそう言うなら、気を付ける」

 ユウが()う………などという寒い親父ギャグを思いついたユウは無言でそれを頭の外に追い出した。今は戦闘中だぞ。空気読め、僕。と自分に問いかける。その脳内作業は傍から見たらかなりバカであるが、本人はいつでも一生懸命である。

 ――と、接近警告。海上から何かが複数射出された。
 弾速の遅い、ポッドのようなものだった。訝しがりつつもユウは小さく身構えた。

「何だ、攻撃か……?それにしては当てる気がないと言うか……」
「違う……ユウ!これは、当てる気がないんじゃなくて――『当てる必要がない』ものッ!!」

 簪は咄嗟にその違和感の正体に気付いたが、既に遅かった。
 海上からユウ達の付近まで飛来した複数のマイクロミサイルのようなポッドが、ひとりでに爆発。同時に空間を覆い尽くすような夥しい煙幕が空間を包み込んだ。その範囲は凄まじく、周辺数百メートルにわたって完全に視界を覆いつくす。それは空間に絵具をぶちまけたような劇的な変化だった。

「これは、対IS発煙弾!?対人戦では効果制限装備の筈……って、テロリストがそんなルール守る訳ないかッ!!」
「気を付けて、ユウ!この煙は、ハイパーセンサでも……キャアッ!!」
「簪!?」

 金属同士のぶつかり合う異音とともに、先ほどまで辛うじて見えていた簪のするえっとが完全に視界から消え去る。
 ――分断された!直感的にそう思ったユウはすぐさま
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