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レインボークラウン
第二百三十二話

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               第二百三十二話  慎重に
 美奈子もビー玉を造っていた、その彼女にタミーノとフィガロが着実だが確実にアシスタントをしていた。その中で。
 美奈子は状況を見てだ、二匹に言った。
「順調だけれど」
「はい、気を抜かれずに」
「慎重に進めていきましょう」
「油断されずに」
「一瞬でも」
「ええ、リラックスはしてるけれど」
 それでもとだ、美奈子はこうも言った。
「気は抜いていないわ」
「集中力ですね」
「それが第一ですね」
「私も集中力には自信があるけれど」
「それはですね」
「ご主人様よりも」
「華奈子の方が凄いのよ」
 華奈子のその集中力の強さは美奈子が一番よく知っている、それで言うのだ。
「ここで比べても仕方ないけれど」
「いざという時の華奈子様の集中力は」
「確かに相当なものですね」
「ええ、ただあの娘にも負けない位ね」
 それこそというのだ。
「今は集中していくわ」
「はい、そうして少しずつ慎重にです」
「事故を起こさぬ様にして」
「そして、ですね」
「的確に進めていきましょう」 
「そうしていくわ、今は順調だからこのまま進めていくわ」
 美奈子は持ち前の冷静さも出していた。
「ビー玉を完成させるわよ」
「素晴らしいものを造りましょう」
「紫を入れたものを」
「それをですね」
「是非共」
「そうです、それでは」
 そのうえでというのだ。
「最後の最後まで進めましょう」
「焦ることなき様」
「一歩ずつ慎重に」
「ことはそうあるべきです」
「出来れば今日中に終わらせたいけれど」
 それでもとも言うのだった。
「集中直ガ切れる様なら」
「その時はお休み下さい」
「また明日です」
「そう、焦らずに」
 くれぐれもとだ、自分自身にも言い聞かせてだった。
 十時になってだ、二匹に言った。
「今日はこれまでよ」
「わかりました」
 器具をなおして休むのだった、続きは明日だった。


第二百三十二話   完


                        2015・4・29
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