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ドリトル先生と二本尻尾の猫
第九幕その九
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「ないから」
「そうだったわね」
「けれど失恋は見てきたよ」
 kのことについてはです、先生は悲しいお顔になって言いました。
「それで凄く辛い経験をしてきた人をね」
「そこで絶対にしたらいけないことはね」
「周りがだね」
「人の失恋は絶対にネタにしない、からかったり囃し立てない」
 そうしたことはとです、お静さんは強く言うのでした。
「例え軽い気持ちでもね」
「それをしたらね」
「相手はさらに傷つくし」
 それに、というのです。
「言われた方は絶対に忘れないから」
「恨みを買うね」
「余計なね」
 まさにというのです。
「だからね」
「失恋した人は慰めてあげるか」
「それが無理ならね」
「そっとしてあげないとね」
「失恋を囃し立てられて人間が変わった人も見てきたのよ」
 お静さんはこのことはかなり真剣に言いました。
「もう見ていられない位にね」
「人が変わったんだ」
「凄く暗くなって。立ち直ってもね」
「暗いものを抱えたままなんだ」
「心に受けた傷だから」
「そう、心に受けた傷はね」
「治りにくいのよ」
 それこそです、身体に受けた傷よりもです。
「しかも膿みやすいから」
「心が膿んでそれが残ったんだね」
「そうした人もいたのよ、囃し立てた相手のことをずっと覚えていたし」
「恨んでいたんだね」
「先生も恨みとか買いたくないわよね」
「そんなことは絶対に思わないよ」
 先生が誰かから恨みを買うことはありません、そしてそれと共にこうしたことも絶対に思わない人なのです。
「まして人を傷つけることは」
「しないわよね」
「人の心の傷はえぐったら駄目だよ」
 このことをです、先生は自分の心に強く刻んでいるのです。
「それは深刻なトラウマになるよ」
「トラウマね」
「トラウマにトラウマを刻み込んだら」
「心が膿むのね」
「その人立ち直ったんだよね」 
 お静さんが知っている自分の失恋を周りに囃し立てられた人のこともです、先生はお静さんに尋ねたのでした。
「そうだよね」
「出来たけれどなのよ」
「心の傷は完治していなくて」
「心に暗いものを抱えたままよ」
「可哀想だね」
「軽い気持ちで言ってもね」
 からかったり囃し立てたりすることがです。
「それは言われた方はね」
「深刻な傷になるね」
「だから失恋はね」
「絶対にからかったりしない」
「相手を傷つけるし自分も恨みを買う」
「いいことは何もないね」
「そうよ、軽い気持ちが大変なことになるのよ」
 世の中ではままにしてあるものです。
「その人特撮ものの悪役みたいな性格になったし」
「日本の特撮もののだね」
「普段は明るいけれど反面凄く卑劣で残忍で陰湿で執念深い人になったの」
「明らかに失恋とそ
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