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鎧虫戦記-バグレイダース-
第33話 暗殺者の武器はナイフが主流
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「見つけたぜ!」

 ジャキンッ!! フォンッ!

アスラはそのまま追撃を仕掛けた。
しかし、葉隠の反応が早かったので
二発目の居合は当たらなかった。

「クソッ!」

葉隠はそのままバックステップで
樹の上を転々と移動して行き
再びアスラ達と距離を置いた。

「逃がすかッ!!」

アスラは地面に降りて、走って追いかけて来た。
しかし、葉隠の方がスピードは速く
どんどん距離は広がっていった。

『ハァ、ハァ、何でさっき居場所がバレたんだ!?
 ″超技術″は確かに発動していたはず‥‥‥‥‥』

そして再び気配を断って、茂みの中に姿を隠した。
しかし、アスラは迷うことなく突っ込んで来ている

「右斜め前の茂みだッ!!」

迅が後ろから大声で叫んだ。
それを聞いたアスラは日本刀の柄に手を掛けた。
そう、その右斜め前の茂みこそ―――――――――――

 ジャキンッ! ザンッ!!

「くッ!!」

葉隠の隠れていた茂みなのである。
この一撃も葉隠には紙一重で当たらなかった。
そして、彼は三度アスラ達から距離を置いた。
この数回の異変から葉隠は一つの答えを結論づけた。

『まさか直接的に俺を探知する″超技術″を
 使える奴がいるとはな‥‥‥‥‥』


彼の″超技術″、″気配遮断(サインカット)″は
あくまで気配を断つだけで存在そのものが
消えてしまうわけではない。
故に、肉眼でも確認することが出来るし
機械のレーダーや赤外線探知にも引っかかってしまう。


つまり、アスラ達の中に葉隠を物理的に
探知する能力を備えた者がいるはずなのである。
そうでなければ、こうも精密に俺の位置を
認識することなど出来ないはずだからである。

「お前の位置はもうバレてるんだ!諦めて出て来いよ!!」

アスラは葉隠がどこに隠れているのか分からないので
とりあえず正面に向かって大声で言った。

「‥‥‥‥‥‥‥」

 ガササッ ズザッ!

葉隠がアスラのやや左にある木の上から降りて来た。
そして、ゆっくりと顔を上げた。
その目には何か大きな意志を感じられた。

 ヒュンッ!

葉隠は服の中から“苦無(クナイ)”を取り出した。
先程、ジェーンに強襲を仕掛けた時のナイフより
少し小さめに見えるが、ナイフよりも
振り回す際の動きに慣れが見えた。

「出来ればこれは使いたくなかったがな」

 ヒュヒュンッ!

いつの間にか“苦無(クナイ)”は二本に増えていた。
瞬間的に懐から取り出したのか。
それとも、あらかじめ二本持っていたのか。
どちらにしても、見えている“苦無(クナイ)”だけを
見切りながら戦うのは危険だろう。


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