第九幕その十二
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「それからウーガブーの国に戻って」
「黄金の林檎のジャムを作って」
「そしてそれをね」
「おじさんとおばさんにプレゼントするのよ」
「何かが起こってそこからどんどん動いて回っていく」
また言ったナターシャでした。
「確かに面白いですね」
「幸せもそうよ」
今ベッツイが言ったそのこともというのです。
「何が一つが起こってね」
「そこからですね」
「どんどん巡っていってね」
「そして、ですね」
「幸せになっていくのよ」
ナターシャにです、ベッツイは笑顔でお話しました。
「そうしたものなのよ」
「幸せは一つじゃない」
「何かからはじまってね」
「巡り回って、ですね」
「なっていって、それは一つじゃなくて」
「幾つもあって」
「どんどん大きくなっていったりもするのよ」
そしてこうも言ったベッツイでした。
「雪ダルマみたいなものかしら」
「最初は小さくても」
「雪ダルマはどんどん大きくなっていくわよね」
「そうして作っていきますね」
雪を徐々にです、小さな雪玉に巻いていってそうして大きくさせていきます。ナターシャもそのことがわかっているのでベッツイに応えました。
「それで幸せも」
「そういうことなのよ」
「若しくは玉突きね」
アンはこちらを例えに出しました。
「一つの玉を突いたらね」
「他の玉を突いて動かしていく」
「そういうものかもね」
「幸せは、ですね」
「そう、一つ一つがね」
「連鎖するんですね」
「そういうものでもあると思うわ」
アンが言うのはこうしたことでした。
「一つでははじまらないし終わらないものなのよ」
「今回も」
「というかあたし達っていつもそうなのよね」
猫もここで言うのでした。
「何か小さなことからはじまってね」
「それがつながって大きくなっていって」
「巡って回って」
「それで」
そうした先にというのです、ナターシャも。
「私達も」
「大きな幸せになるの、そしてさらにね」
「その大きな幸せが」
「また大きくなるのよ」
そうしたものだというのです、こうしたお話もしてです。
一行はさらに先に進みました、真実の池までの道を。
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