第九幕その十
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ベッツイやアン、ハンクに猫も撮ってです。さらに。
「あれっ、僕達も」
「僕達も撮ってくれるんだ」
「そうなんだ」
「ここで知り合ったのも何かの縁」
族長さんは三人の男の子達に言いました。
「だからな」
「それで、ですか」
「それでなのですね」
「僕達の写真も」
「撮ってな」
そして、というのでした。
「後は」
「僕達のお人形もですか」
「作ってくれるんですか」
「そうしてくれるんですね」
「気が変わってな」
最初はナターシャと恵理香だけでしたがそれがというのです。
「そうさせてもらうよ」
「じゃあお願いします」
「撮って下さい」
「是非共」
三人もにこりと笑って応えます、そして。
クルマー達は一行の写真を全て撮ってでした、充分過ぎる程撮ってからでした。族長さんはベッツイに言いました。
「それじゃあね」
「これからマンチキンの国に行くのね」
「そうするよ。ただ」
「ただ?」
「その途中エメラルドの都に入るけれど」
「カドリングからマンチキンに行かないのね」
「都も観光したいからね」
それでというのです。
「あそこにも寄るよ」
「そうですか、だからですか」
「そうさせてもらうよ、だからね」
「オズマ達に伝えたいことがあれば」
「わし等が伝えておくよ」
エメラルドの都に来たその時にというのです。
「だから何かあるかい?」
「ないわ」
特にと返したベッツイでした。
「アン王女と一緒になった位かしら」
「じゃあそのことを伝えておこうかい?」
「けれどそのことはオズマも鏡で知ってるから」
「ああ、王宮の」
「そう、オズの国の中なら何でも見られる鏡でね」
「あれがあるならわし等が伝えなくてもいいか」
族長さんはベッツイの言葉を聞いて考えを変えました。
「それなら」
「そうなるわね、けれどね」
「けれど?」
「気持ちは受け取らせてもらったわ」
族長さんの好意はというのです。
「有り難う」
「いやいや、礼には及ばないよ」
「ただ。折角の族長さんのご好意よ」
アンはベッツイに横から言いました。
「だからね」
「お願いしたらどうかっていうのね」
「ええ、族長さんは都に行かれることは間違いないし」
「そうね、だったらね」
ベッツイはアンの考えを受けてです、族長さんにあらためてこう言いました。
「じゃあ私達は凄く楽しんでるってね」
「そう伝えて欲しいんだね」
「お願い出来るかしら」
「お安い御用だよ」
族長さんはベッツイに笑顔で答えました。
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