しゃべるしゃべる
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「では、説明しようか。と言っても簡単だ。今の私は常に魔力が枯渇気味なんだ。マスターから必要最低限の魔力を貰うことで、こうしてなんとか存在を保っていられる状態だ。令呪によって『壊せ』るだけの魔力が私に補充された、というのがあの時の真相というわけだな」
「土くれ」フーケの事件から数日後、アーチャーから聞くべきことを聞こうと、こうして夜、話すよう命じた。
アーチャーの現状について。
「それは……私の魔力が少ないってこと?」
というかそうとしか思えないわけですが。
「そうであると言えるし、そうで無いとも言える。さてどこから話そうか。私とマスターの関係が、この世界の一般的なそれと多少違うという事は分かっているだろう。そも、私は『サモン・サーヴァント』で呼ばれた訳ではないからな」
は?
――――――――――――
「そう怒ってくれるな。君の言う通り、ルイズ・フランソワーズが、私という『アーチャー』を召喚したのは確かに間違いではない。単に、それがこの世界における『サモン・サーヴァント』と定義された物ではなかっただけのこと。ルイズ。私は本来、人が、ましてや個人が、何のバックアップも無しに呼べる存在では無いんだ」
「信じて貰えないかも知れないが、私はこの世界と別の世界から君に呼ばれて来た。君が使った『魔術』によって」
「落ち着いてくれ。ん? そうだな。信じられ無いのは仕方ないかもしれないが、そこはマスターの適応力に期待しよう。そうでないと話が進まない」
「いつだったか君は聞いたな、私は幽霊なのか、と。強ち間違いでは無い。私はかつて人であり、死後、『こういう物』と成った。まあ、それは今はどうでもいい」
「マスターがどうして魔術を使えたのかも、今は置いておくとしよう。私とて、全ての疑問に答えられる全知の存在ではないからな」
「先に言った通り、私を呼ぶことは通常不可能だ。こういう言い方は余り好きではないが、私がいた世界において、私のような存在は『格』が高い。勿論中身ではなく、存在自体が、ということだがね」
「そんな物を召喚するとなると、途方もない魔力が必要になる。世界を跨ぐなら尚更だ。が、信じられないことに、君はこうして一個人で私を召喚して見せた。そんな君の魔力量を、間違っても少ないとは言えないさ」
「だが、どうやら召喚でその膨大な魔力をほぼ使い切ってしまったようだ。あぁ、マスターが私を召喚した時倒れたのはその反動からだろうし、体が怠く感じる日があるのは君の回復量を上回る魔力を、私に供給している時があるためだろう。それは申し訳なく思っているし、これでも魔力を極力倹約しながら生活している事は信じて欲しい。ただこれからは、そんな怠い日は無くなる筈だ。少なくともこの学院で
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