ep-1─それは突然に舞い降りて
#02
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忌まわしいその解答に、レンは頭痛に近いものを覚えたのであった。
因みに、レンの家は複数の部屋がある為、マリアにはその内の一つを使ってもらう運びとなった。
ただ──予想に反して、マリアは大人しかった。何か家のものを荒らした形跡もなければ、むしろレンの作業を率先して手伝った程である。
やはり《担い手》なのだろうか。その細腕からは想像もつかない怪力とでも言うべきもので、様々な家具を運んでくれた。
……もっとも、レンはその倍は持てるのだが。
「……なぁ」
夕食作りの手伝いすらした…悔しいがうまかった…マリアに、レンは不思議に思ったことを問うた。
─何故、俺に会いに来たのか。
─何故、こんな風にして過ごすのか。
─何を、考えているのか。
けれども少女は……半ば予想していたことではあるが……答えることなく、
「内緒よ」
と、無邪気に隠しただけだった。
それに無性に腹が立つ。
──だがしかし。
全く同時に、一種の安息感を、レンは感じてすらいた。この感覚を何処かで味わったことがある。覚えている。俺は、この光景を求めていて──
結局、その感覚の正体が何なのか、その日の内には明らかにならなかった。
「明日はお前の家を探しにいくぞ。何時までもここに居候されていても困る」
「あら、良いじゃない。一度も使ってない部屋もあるみたいなのに」
それは結局、レンの後には《仲間達》が増えることが 無かったことの証明なのだが──
不思議と、この女になら使わせても良いかもしれないな、と、いつの間にか思うようになっていた。
それはレンの中の認識が、どうしたことか移り変わって行きはじめていたことの象徴なのだが――――
この時はまだ、誰も『それ』について言及することは無かった。
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