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我輩は逃亡者である
第二章 世界からの逃亡者三人。
10.厨二がきた
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「はぁ!はぁっ!嘘だ!こんなのってないよ!」

信じられない!こんな、こんなことが!離されないのがやっとだなんて!おれだって短い間とはいえ警察から走って逃げ続けてたのに、樹海で数日間生き残る体力だってあることが図らずもわかったのに!



「女の子一人背負った引き籠りのメカウサミミつけた不思議の国アリス系科学者に成長期の逃亡系男子が体力でも走力でも負けるなんてあり得ない!現実を認めたくない!」
「また滅茶苦茶いうね!しかし束さんは細胞単位で天才なのだぁぁぁぁ!!」
「流石束様です!しかしかーくんさんよくついてこれてますね…」
「いっぱいいっぱいだよ!もう…も、もた…ない」

細胞単位で天災だなんて本当に反則級…頭使ってメカつくって逃げてると思ったら肉体面でもブッ飛んでるのか!なんも整備されてない山の中走ってるってのに呼吸が微塵も乱れてないし!なんか普段引きこもってる女の人に負けるってショックだ…あ、ホント無理転けっ!?

「おっと!危ないよ、かーくん!」
「ごふっ…はっはっ!はぁはぁ…転んだ男を難なく脇に拾い上げて抱えて走るだなんて、束先輩には敵わないですよ…あーしんどい」
「ハハハハ!ようやく束さんの凄さがわかったんだね!」
「いや、凄いのはもうわかってましたよ。ただ素直に凄いと思えないだけで」
「そうです!束様は世界で一番凄いんですよ、ただ素直に認めにくいだけです」
「誉められてるのかな!?それ束さん誉められてるのかな!まったくかーくんはツンデレだなぁ!」
「はいはいツンデレツンデレ。べ、別に束先輩のことなんて駄目なとこあるだなんて思ってないんだからね!」
「お!ノリいいね、かーく…それでツンデレだったら束さんのこと駄目だと思ってるじゃん!?」

いやだってそこいらの男子に家事力で負けるとか二十歳越えた女性としてどーですよ?さっきいたラボなんて床9割埋もれてましたよ?俺の部屋だって流石に床は見えてたよ。

「ぐっ…いっくんがいれば凄い綺麗にしてくれそうなんだけどなー。束さんにはできないことだからかーくんに任せるよ」
「自分でするという選択肢はないのか、この先輩は」
「すみません、かーくんさん。私も手伝いますので」
「そうだね、取り敢えず落ち着けたらラボの床が見えるくらいには頑張ろう。束先輩はルンバみたいなのつくってくださいよ」
「そーゆうことなら任したまえ!いくらでもつくるさ!」
ルンバあれば勝手にある程度綺麗になるでしょ。あ、ダメか…ルンバが動けるほど足場なかった…

「で束先輩や、今さらなんだけどラボに来たISはどこのですかね?」
「えーとアメリカの軍所属の機体だね、正確に言うと一般には知られていない地図にない基地(イレイズド)ってとこの部隊の奴らだね」
「へーそうですか」
「聞いて
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