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黄色い帽子
4部分:第四章
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第四章

 平然とだ。看板だけを換えてだ。
 マスメディア、そして学会に残りだ。政治家としてもだ。
 残り続けた。ただ言葉と政党の名前が変わっただけだった。そうしてだ。
「格差社会だ!」
「我が国は孤立している!」
「世界市民だ!」
 こう主張しだしたのだ。そしてだ。
 テレビだけを信じている者達はだ。そうした言葉を鵜呑みにしてだ。
 彼等の旗に隠されているものにもだ。気付かなかった。
 ここでもだ。心ある者達はだ。その名前を変えた勢力の旗を見て言った。
「黄色いじゃないか」
「あのイデオロギーの色だぞ」
「連中は全然変わっていなかった」
「それが見えているんだよ」
「あの連中の言うことは聞くな」
「絶対に選挙で票を入れるな」
「入れたら大変なことになる」
 心ある者達は口々に言う。しかしだ。
 かつてあの大国を知る者は減りだ。若かりし日にそのメディアや知識人達の垂れ流す主張をそのまま聞いていてだ。戦争を知らなかった面々がだ。テレビだけを見てだ。
「いや、一回あの政党に任せてみよう」
「メディアは嘘を言わない」
「一回与党にお灸を据えよう」
「しかも言っていることはよくないか?」
「格差社会も外交的孤立も解決しないとな」
 そのままだ。事実を一切勉強せずにただメディアや知識人、しかもかつての彼等の発言や文章も全く調べずにだ。彼等は能天気に言いだ。
 彼等の言うままだ。その政党を支持し票を入れてだ。
 黄色い時代が来た。そして。
 この国は未曾有の危機に陥った。それで勉強しなかった彼等は叫んだ。
「こんな筈では!」
「こんな筈ではなかった!」
「何でこうなった!」
 こう叫び喚きだした。しかしだ。
 彼等はだ。忠告してきた者達にだ。黄色い帽子を無理矢理被せられてだ。
「黄色い奴等を許すな!」
「御前等全員何処かに消えろ!」
「マスコミも学者と一緒にだ!」
「俺達が革命を起こしてやる!」
「人民なんているか!」
「御前等はいるか!」
 こう言ってだった。黄色い帽子を一生被せられてだ。
 死ぬまで罵られ後ろから蹴られ侮蔑された。それから黄色い帽子はだ。
 この国では災厄の象徴になった。黄色という色もだ。
 そのこと自体が悪になりだった。最早。
 邪教の如き扱いとなった。そして。
 黄色い帽子をはめられた者達はだ。今度はだ。
「市民主義だ!」
「市民の時代だ!」
 僅かに残ったメディアや知識人、そして彼等と同じ思想の市民団体や組合の主張に耳を傾けていた。彼等はあくまでわからなかった。
 そのうえでまた言うのであった。
「弱者救済だ!」
「庶民の味方だ!」
「庶民目線の政治!」
「これからはそれだ!」
 今度もだ。その旗振りをしているのは。
 いつもの新
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