5話
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「るーちゃんーっ」
流架がヒラヒラしたドレ「…凄い」
「……スゴい〜いっ、ねっお兄ちゃん、ママ」
ぎゅっと流架が琉徒の手を握る手に力が入る。
流架は茫然と目の前にキラキラと輝く真新しいパーティー用の高級衣服を見つめる。
「あのっ…会うだけなんですよね」
「あれっ…言って無かったけ、息子達に紹介したら、直ぐに結婚式を行うんだよ」
……結婚式
…結婚式…って、結婚式だよね。
あの結婚式だよね…。
「…結婚式…ですか」
「そう、結婚式だよ」
琉徒が微かに吐息を付く、大事な事を直前まで、言わないのはこの母親の血筋なんだとハッキリと自覚する。
真剣な目で見つめる。
「…俺の事はいいから」
「ダメよ…自分の幸せよりアナタの幸せを考えるわ」
お互いに無言になる、沈黙を母親の一言が破る。
「アナタを健康な身体に産んで上げられなかったのは…私のせいよ」
って入院をしていたし、心臓の負担を考えて運動も出来なかった、小さな流架は公園で遊んだり家の中でも走り回ったりと、元気いっぱいの流架を当時の俺は見たく無かった。
つまりは、俺は距離を置いていたんだ。
「ごめんね、るーちゃん」
「…お兄ちゃん、どうかした」
まだ8歳の流架には俺の病気の事は話していない、無理な事をしなければ発作が起きる事が無かっーさんはオレンジと青が似合うよ」
そう俺に取って母親は太陽(希望)であり空(自由)であり。
俺の神様みたいな人だ。
何度この命を助けてくれたか分からない。俺の神様。
「幸せに成ってね」
ボソリと俺が呟いた声は小さくて誰にも聞こえないと、思っていたのだが。
「ーっ」
真っ赤な顔をした母親と俺に向かって静かに決心した様に言う。
「幸せにしてみせるよ3人共」
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