暁 〜小説投稿サイト〜
ワールド・エゴ 〜世界を創りし者〜
world war5−『夢の主』−
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たらしさは感じられない。
 だが、その顔からは予測出来ない程に、自体は深刻だ。

世界断絶(リシュト・エリス)』による全平行世界消去プログラムは、一度発生してしまえば絶対に止められない。

 そしてそれが完了してしまえば、世界は初期化され、総ての物語は白紙に戻る。

 その中には、ソーニャと、ソーニャが愛する『あの世界』の住人達も含まれる。

 それは、断じて受け入れられない。

「分かりました。すぐに合流しましょう」

「ありがとう。いつかお礼をするよ」

 ソーニャの返答に安堵したかの様に胸を抑えると、ルークは軽くお辞儀をして、再び空間の歪みに消えた。
 夢の間は未だ何者にも侵されてはいない。何故ならば、夢の間はソーニャが創り出した『悲願結界(夢想)』でありながら、
 ソーニャの許可が無ければ、不可侵の『超越世界(セカイ)』だからだ。

 けれど、この世界にも『世界断絶(リシュト・エリス)』は届く。
 シェルターにもならない。

世界断絶(リシュト・エリス)』の前には、『ノアの箱船』など存在しないのだ。

「……さて、動きましょうかね」

 鉄塔の下の部屋から歩み出る。

 丘に吹く風が心地良い。草が擦れて音を鳴らし、舞い上がったタンポポの種が空を覆う。

 ソーニャのセカイは、闇を知らない。
 だからこそ、脆い。

 自らの愛するこのセカイを、壊させはしない。

「−−『機械仕掛けの神の夢(ソーニャ・ドリームシアター)

 ソーニャは、夕焼けの空から差し込む光に溶け、そして消えた。












 ◇◇◇













「これは……如何したものでしょうか」

 アッシュの魔法は、その扉にことごとく弾かれた。
 否、弾かれたという表現は合わないだろう。正確には、『無効化された』。

 千を焼き、万を凍らせ、億を滅するアッシュの魔法は、しかしその扉に傷一つ付けられない。

 −−自由の女神。

 それが、その『扉』の名だった。

 独立したアメリカに対して、フランスが祝いに送った像。その像には、数多の『信仰』が寄せられた。

 集まった『信仰』はいつしか『神格』を持ち、《アノセカイ》へと繋がる唯一の扉となったのだ。

 その扉を開き、《アノセカイ》に存在する『歯車』を手に入れる事。
 それが、今のアッシュ達の目的だった。

「ほーら!行きますよぉ〜?」

 ホロウが、その手に持つ宝剣《トゥルー・エクスキャリバー》を構える。

 −−そして、姿は掻き消える。

 ズガガガガガガガガガガガガガガガガカガッ!

 ズガガガガガガガガガガガガガガガ
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