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Fate/Modification 〜13人目の円卓の騎士〜
第3話 決闘
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を捨てたケイ卿は腰からロングソードを抜き放ち、中段に構えた。
流石にこちらを警戒してか、いきなり切りかかっては来ない。
若いが状況適応は一級品のようだ。

互いに一定の距離を保ちながらジリジリとレンガの上を摺り足で横へ移動する。

「……ハァッ??」
「オラッ??」

再び躍り出たケイ卿に向かって、俺も駆け出す。
逆刃に持った短剣とロングソードが、激しくぶつかり合った。
火花が散り、互いの筋肉が悲鳴を上げた。

ロングソードの一撃一撃を短剣で受け流しながら、短剣特有の軽快な動きと手数で攻めに行く。
一撃、二撃、三撃と打ち込まれる短剣に、ケイ卿はお返しとばかりにロングソードを叩き込んでくる。

周囲の人集りからざわめきが消え、誰もが闘いに魅了されている。

俺自身、ケイ卿の剣裁きに感嘆を評していた。
ロングソードとは思えない太刀筋に、油断や手加減は最早無かった。
いや、あってはならなかった。

これが騎士なのだと、痛感した瞬間だった。

「……先に言わせていただきたい、昨日は無礼を働き申し訳ない。
これ程の技量を持っていようとは……感服しました」
「俺も謝らせてくれ、あんたは…貴殿は強い、今はただ……強者に巡り会えた武天の運命に感謝しよう」
「……同感だッ??」

下段に下げたケイ卿のロングソードが、顎先を狙って放たれた。
それを短剣で受け流し、左手にもう一振りの短剣を投影、頭上で切り返しの一太刀を二本の短剣で留めた。

「二刀使いかッ?? 面白いッ??」
「そりゃ結構ッ??」

背後に飛んで着地、同時に魔力を足に流し、一気に距離を詰め直す。
二撃、四撃、六撃とこちらの手数を増したにも関わらず、ケイ卿のロングソードは水を得た魚の様に鋭さを増していた。

火花が鼻腔を擽り、身体中を血が濁流の様に駆け巡る。

一体何合打ち合っただろうか。

不意に、あまりにも不意に、互いの獲物が真っ二つに折れた。
地面に転がる三本の刀身。
俺とケイ卿は互いに押し黙ったまま折れた獲物を眺め、そして……

「「は、ははははははッ??」」

笑いあった。
呆然とする人集りを前に、俺たちは互いに笑いあった。

「私はケイ、サー・ケイだ。
貴殿は?」
「よろしく、ケイ卿。
生憎俺には名前がない。
……フェイカー≠ニでも適当に呼んでくれ」
「贋作者か……確かにあの短剣は贋作の様だったな。
だが真に迫った贋作だった。
なら……リーア・フェイカ≠ニいうのはどうか?」
「迫真の贋作者≠ゥ、悪くない」
「うむ、では……アーサーを頼むぞ、リーア」
「よろしく、サー・ケイ」
「ケイで構わん、こちらこそよろしく頼む、リーア」

互いに握手を交わす。
周囲から歓声が上がり、
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