第2章 ヘンシェル星系攻防戦 後編 生存率3.8%の真実
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ヘンシェル星系区には実に10万人近い地上部隊と5万人近い宇宙駐留軍が置かれていたがこのうち生きて戦闘終結を迎えたのはわずかに5700名以下。カーラ=テーベ2−1以外の地上部隊はそのほとんどが全滅または虐殺もしくは捕虜になり、生存者はたったの数個小隊であった。カーラ=テーベ2−1でもわずかに生存していたのはたったの74名のみ。残りの5600名強は全員運よく生き残った第14駆逐艦群を主力としたオリオン星系区から引き返してきたヘンシェル星系区駐留艦隊残存兵力のみであった。
駐留部隊の生存率はわずか3.8%。
この数字の裏には多くの勇気、自己犠牲があった。
私は多くの尊敬する上官・戦友を失った。この傷は決して言えることはないだろう。
しかし、こののちに私は多くの血の海を見、また帝国亡命人であるということに対する偏見を経験することになるということを知る余地もない。
「人は運命に逆らえませんから。」ルイ・マシュンゴ曹長の口癖が頭に今でもこのことを思うと浮かんでくる。
血みどろの「ヘンシェル攻防戦」生存率3.8%の戦いはこうして幕を下ろした。
宇宙歴789年 8月7日のことである。
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