第十四話 列車
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組だね。シルヴィとは幼馴染なんだ〜」
勢いよくマシンガントークを始めるレナとブレーキ役をするシルヴィの自己紹介が終わり、打ち解けた3人が談笑していると、突然扉の壁に何かが叩きつけられたような重い音が鳴り、複数人の叫び声が聞こえた。
突然のことにびっくりして目を丸くしているシルヴィとレナにエメが声を掛ける。
「ちょっと窓際によってて貰えるかな?」
扉側に座っていたシルヴィを自分の座って位置に座らせて、エメは扉を開く。
扉に寄りかかるように座っていたのか、エメが扉を開くと、足元に人が倒れ込んできた。
一瞬足蹴にしようかと考えたエメだったが、本人が気絶していることと、後ろでシルヴィやレナが見ていることを考慮して、倒れている男子はまたいで通り過ぎる。
廊下の様子を見ると上級生を含めた十数人の男女が喧嘩をしている最中だった。どうやら既に1度殴り合いをしたらしく、複数人の服装が乱れている。
何人かが杖を抜いても決着がつかず、またにらみ合いの状態に戻ったというところだろうか。互いに杖を抜いた状態で構え、口汚く罵り合っている。
「なんだと? もう1回言ってみろ、マグル上がりの魔法使いめ!!」
「何度でも言ってやるよ! 敗北者の末裔が!! 御先祖様と同じように地に這いつくばってブルブル惨めに謝罪でもしてみればどうだ?」
「貴様!!」
何人かが杖を振って、魔法の応酬が始まる。
実にアホらしい。
どうやら音の正体は魔法で吹き飛ばされた奴が、エメたちのいたコンパートの壁にぶつかったのが原因らしい。ぶつかった拍子に頭でもぶつけて気を失ったのだろう。
他のコンパートにいる者たちも、扉から顔を覗かせて、嫌そうに顔をしかめて引っ込むもの、興味深げに見学するもの、出てきて加勢する者など様々な反応をみせる。
レナとシルヴィもコンパートの扉から顔を覗かせ、状況に納得する。
「ああ、旧貴族派と革命派がかち合っちゃったか〜」
「なんだそれ?」
「フランス革命って知ってる? 18世期後半、だいたい最後の10年ちょっとでおきた市民革命運動なんだけど」
レナが訳知り顔で呟いたのでエメが質問すると、割と有名な出来事についてシルヴィから聞かれる。
詳しいことは知らないが名前ぐらいは誰でも聞いたことがあるだろうし、大体の概要ぐらいならばエメも知っている。
「旧貴族派は当時第1身分、第2身分と言われた聖職者や貴族の生き残りの末裔ね。聞いたことあるかもしれないけど、この時代までの高位の支配者達は大抵魔法使いとの交流も深く、魔法を使える者が基本だったから」
「そうそう、それで革命派はその時に革命を支持していた魔法使いが作った派閥なんです。マグルというか、第3身分の親を持っている魔
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