本当の強さ
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剣そのものだった。森のために・・・簡単そうで、そうできることではないはずだ。
「だったらなおさら・・・タンにかけた魔法を解いたら危険だろ!?」
「心配するな。タンたちと同じように私たちも病気の種になれてしまえば発症しないんだ」
サラさんはマキくんに視線を動かす。マキくんはようやく目覚めたようだが、サラさんの視線が怖いのか、ビクついている。
「そして大丈夫になったことをそのガキが証明してくれた。勝手に一年も屋敷に出入りしてな。
時間はかかったが・・・この森はもう安全だ」
そう言うサラさんの顔は清々しいものだった。サラさんは初めから、自分たちが病気になれるのを待っていたんだ・・・
「タンさん!!」
すると屋敷の方から数人の男たちがタンさんに向かって走ってくる。もしかして、木になっていたっていうタンさんの仲間たちか?でもなんで元に・・・
「あ・・・」
俺はさっきサラさんの言っていたことを思い出す。そういえば・・・サラさんのかけた魔法は時を待つ魔法・・・つまり、最初から木になった人たちは元に戻すつもりだったんだ。
「サラ・・・お前最初から、いつか魔法を解くつもりだったのか?村人たちが病気の種に慣れたら・・・再び俺たちが森で暮らせるように・・・」
どうやらタンさんもそのことに気づいたようだ。しかし・・・なぜかタンさんの表情は暗い・・・どうしたんだ?
「・・・あの時俺が、森を出たら他にいく場所がないと言ったから・・・」
「・・・それだけではない」
サラさんはそう答えたあと、突然震え始める。するとそのまま、フラッと倒れそうになってしまう。
「サラ!!」
しかしそのサラさんをタンさんが受け止める。
「・・・さっきの魔法で力を使い果たしてしまった・・・そろそろ・・・限界のようだ・・・」
サラさんはそういうと咳をし始める。すると口から血を吐き出す・・・まさか・・・
「・・・お前、病気に・・・!?」
「ああ・・・治療しているうちにかかってしまったんだ・・・私の魔法は自分以外のものにしか効かないから・・・
私が死んだら、みんなを治療できるものがいなくなってしまう・・・そしたら・・・この森はもう終わりなんだ・・・
だから一刻も早くタンたちを閉じ込めるしかなかった・・・12歳にしては、良くできた解決策だろ・・・?」
サラさんはそう言うと口を押さえる。そんなに病気が進行しているのか!?
「俺が・・・俺があの時お前の話をちゃんと聞いていればこんなことには・・・お前はずっと訴えていたのに・・・
俺が本気にしようとしなかったから・・・!!」
タンさんも自分のやってしまったことに悔いて顔を押さえる・・・だけど・・・タンさんも悪いわけではないと思う・・・だって、
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