第十三話 期待はずれの勧誘
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か?」
「無論。最高の杖が欲しいのならばオリバンダーの店へ行くべきだ。俺様もそこで杖を買った。が、エメ・アーロン、お前は駄目だ」
最高の杖があるのに、その店には行ってはいけないと言うヴォルデモートを不思議そうに見る。
「お前より前のアーロン家の人間が、数人続けてあの店で騒ぎを起こし続けた結果、アーロン家の人間は出禁をくらってしまっている」
「…………」
呆れて物も言えないとはまさにこの事だろう。一体何をやらかして出禁をくらったのか気になるエメだったが、ヴォルデモートに質問したのは別の内容だった。
「その店が駄目ならば、どこの店に買い物に行くのですか?」
「隣の夜の闇横丁
ノクターンよこちょう
にも杖を扱っている店がある。アーロン家とも何度か取引をしている。そこで買うぞ」
「分かりました」
場所が分からないので、ヴォルデモートの案内に従ってついて行く。
夜の闇横丁
ノクターンよこちょう
では闇の呪文に関わる物が多く売られている。そんな怪しい店が立ち並んだ中の1つに、杖を売っている店があった。
主に呪い持ちや、忌避的な材料を使って作られた杖を売っている店だ。当然、こういう類の杖はオリバンダーの店では扱っている訳が無い。
閉店中と書かれた看板が掛かっているにもかかわらず、一見ボロボロに見えるがしっかりとした頑丈な黒い扉を開いて、ヴォルデモートは店内へと押し入る。
後から続けて店に入ったエメが辺りを見回すと、杖以外にもいろいろと怪しげな物がいっぱい置いてあるのを確認した。
「オイ、誰かいないのか!?」
「おやおやおやおや、まあまあまあまあ!!」
ヴォルデモートが呼び出すと、ごちゃごちゃと混雑して物が積み重なっている店の奥から、這いずるような姿勢で物と物の隙間をすり抜けて、継ぎ接ぎだらけの高級マントを纏った小柄な男が出てきた。
男はさっそく視界に入ったヴォルデモートにすり寄ると質問をする。
「ヴォルデモートの旦那じゃございませんか! 一体全体まったくもって、こんなところに何の御用でありますか?」
「こいつの杖を買いに来た。さっさと用意しろ」
「んん? どちら様で? こちらブチコロの杖の家、杖を専門に扱っておりますよ」
「エメ・アーロンです。初めましてブチコロさん、杖を売って欲しいのですが」
「ああ、ああ、ああ、ああ、なる程ね。アーロン家の御方ですか、一番有名なのは腕の骨の1つを杖と取り替えた当主がいたことですね、そういうのはウチの店ぐらいしか挑戦してくれませんからね。じゃあじゃあ、さっそく会いそうな杖を見繕ってきますよ」
驚き、納得して、杖を探し始めたブチコロ。
直ぐに何本かの杖を店の中から引
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