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ハリー・ポッターと蛇の道を行く騎士
第十二話 ダイダゴン横丁
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ってみるまでどこの寮になるか分からないんだ。だけど僕はスリザリンに決まってるよ。僕の家族はみんなそうだったんだから……ハッフルパフなんかに入れられてみろよ。僕なら退学するな」

 ……正直どうでもいいのでうざいとしか思えない。マルフォイがどんな寮に入ろうが、エメの知ったことじゃないのだ。
 いい加減嫌になったので猫被りは止めて、マルフォイの発言を全て論破する事で、調子に乗った態度をたたき伏せることにした。

「そういえば、お前は純血は優遇されるべきだと思っているんだよな?」

「当たり前じゃないか。純血こそが最も優秀で優れた存在なのだから」

「ふっ、それは違うな。マグル生まれだろうが何だろうが優秀な者は優秀だし、無能な奴は無能だよ。
 真に不要なのは実力もないくせに上に居座り続けて優秀な者の成長を阻害したり、足を引っ張っる無能な害悪共だよ。
 純血だろうが名門だろうが関係ない。無能な連中は飼い慣らして初めて、輝かしい発展に役立つようになるんだよ」

「なっ!? それじゃあ何だい、君は純血の名門を否定すると言うのか!」

「いいや? 有能ならば生まれも立場も関係なく全てにおいてチャンスを与えるべきで、無能ならばその実力に見合った立場で有能な者の為に生きるべきだと言っているんだ。真に優秀な者だけが栄光を手にし、残る劣等種は再利用。これこそ正しい世界の有り方だとは思わないかい?」

 どちらも自分勝手なことしか言わない酷い思考である。見方のズレた異なる二つの選民思想。納得のいかないマルフォイは興奮したように声を荒げる。

「そ、そんな考え方は絶対におかしい! 間違ってる!」

「決め付けてしまう時点で思考は止まり、お前の器がしれるな」

「……っ、話にならない! 失礼するよ!」

 彼は元々青い顔を更に青くしながら踵を返し、足早に店から出て行ってしまう。
 マルフォイの純血主義の話を完全否定して、逃げるその後ろ姿をつまらなそうに見送ったエメは、カーテン越しに話しを聞いてたであろうフレデリカに謝罪する。

「悪い、ドラコ君店飛び出しちゃった」

「気にしないで〜、つまらない話をいつまでも続けるドラコが悪いんだし、どうせ店の側で待ってるだろうから」

 丁度アーサーが終わって戻って来たので交代する。アーサーはそのまま杖を買いに行くらしい。







 マダムマルキンは笑顔でエメの寸法を計り、自動で計測している巻尺にエメが興味を持つ。物が勝手に動くのは、この世界ではごく当たり前の事なのだろう。
 エメは寸法を測るだけだったので直ぐに終わった。

 エメが終わってもまだフレデリカは私服を買っている最中だったようなので、挨拶だけして店を出る。

「じゃあね、フレデリカ」


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